静岡大学内の浜松医大との統合・再編の白紙撤回への動きに危機感~浜松キャンパスが会見
静岡大学と浜松医科大学の統合・再編問題を巡って、両大学が締結した合意書について、静大内で白紙撤回に向けた議論が進んでいるとして、浜松キャンパスの学部長らが会見を開き、反対の意志を示しました。
静岡大学浜松キャンパス 川田善正理事
「最近の学内の議論では合意書の白紙を視野に、議論が一方的に進められており、静岡大学の名誉、信用を大きくき損する事態。静岡大学の発展のチャンスを損失してしまうのではないかと大きな危機感を持っている」
静大浜松キャンパスの学部長らトップ4人が示した強い危機感の矛先は…
静岡大学と浜松医科大学の大学統合・再編を巡る静大内の対応です。
両大学を巡っては、2019年少子化などを背景に、浜松地区・静岡地区にそれぞれ新たな大学をつくる「1法人2大学」案で
大学統合・再編の合意書を締結するも、その後無期限の延期が発表されました。
そして、今年に入り、静岡大学の日詰一幸学長は1つの大学に
独立性のある2つの学校を置くという合意内容とは異なる「1大学2校案」を発表。
浜松キャンパス側は「大学の生き残りには先鋭化した魅力ある大学づくりが必要」としていてこの案に反対しています。
16日の会見は浜松キャンパス側が、独自に会見を開いたのです。
静岡大学浜松キャンパス 川田善正理事
「大学内で議論すべきとの指摘はもっともであると思うが、学内の会議の構成員比率は、圧倒的に浜松キャンパスにとって不利の状況である。」
木村雅和電子工学研究所長
「対立したいわけじゃないが、一体感の中で浜松が無視されていくことに我慢できない部分もある。」
笹原恵 情報学部長
「真面目に1法人2大学案についても検討が進んでいるのであれば、記者会見することはなかった」
出席した学部長らによると、学内で4日に開かれた会議の中で、日詰学長から自身が提案した「1大学2校案」を静岡大学の成案とする方針が示されたといい。
あさって開催される評議会で、事実上の意志決定となる可能性があるということです。
さらに、この案を浜松医科大が認めない場合、日詰学長は「合意書の白紙撤回も辞さない」という趣旨の発言をしたといいます。
Q白紙撤回したら合意書話自体が無くなるのでは?
静岡大学浜松キャンパス 川田善正理事
「私たちとしては同じような危機をもっていますので、両大学が手をとりあって発展していくことは望ましい形」
一方、この会見を受け、静岡キャンパス側は「学内で合意を得られるよう協議しているさなかで、このような記者会見が行われたことは遺憾である。本学からは合意書の白紙に関して申し上げたことはない」としています。