5000円を500円に値下げも…衝撃価格の掘り出し物 静岡・三島市がメルカリ出品(前) /ニュースの現場
伊地健治アナウンサー:「三島市の郊外にある清掃センターです。年末などの多い時には、1日に90トンのごみが運び込まれるごみ処理施設。なかなか減らないごみを減らすためのある珍しい取り組みをしている」
使える「粗大ごみ」をメルカリに出品
家庭から出る粗大ごみ。みなさんも年末のお掃除などで出したりしませんか? 三島市では粗大ごみをユニークな方法で活用。今、注目されているんです。
伊地アナ:「建物に入ると、入り口に何やらものが置かれていて、メルカリ出品中と書いてあります。メルカリってフリマサイトのことですよね」
清掃センターの事務所には、机や椅子などいろいろな物が飾られていますが、実はこれ、三島市がメルカリに出品する商品なんです。
月におよそ2200万人が利用している日本最大のフリマサービス「メルカリ」。登録をすればネット上で商品を買ったり売ったりすることができます。
廃棄物対策課の山添さんに話を聞きました。
伊地アナ「ごみとして出された物?」
三島市廃棄物対策課 山添豊さん:「はい、全てごみとして出された物です」
伊地アナ「将棋の盤も…」
山添さん:「年輪が見えますけど、一本の板で作られているようです。数万円はすると思うけど、3000円で考えています」
盤面を見ると少し使い込んだ感がありますが、まだまだ使えそうです。
伊地アナ「小さい頃家にありました。植木鉢を置く台」
山添さん:「調べたら高いもので、新品なら2万円は超えるということですが、5000円で出す予定です」
ごみの削減を目的としたこの取り組み。立派な消防車のおもちゃは1000円。9月から始めた三島市のメルカリショップ。フォロワー数は右肩上がりに増え、1日の時点で1600人を超えています。
この取り組みの特徴は…
市の職員がまだまだ使えると判断した粗大ごみなどを週に1度のペースで10品から20品出品しています。この取り組みの大きな特徴は?
三島市廃棄物対策課 山添豊さん:「三島市清掃センターに取りに来ていただいているので、さらに安くしています。もともとごみなので、しっかり見ていただいて、キャンセルもできるように。半分以上の方が三島市外の方。1番遠い方が東京のあきる野市、川崎市や横浜市から」
伊地アナ「いままで珍しい出品物は?」
山添さん「一番特徴があるものは臼と杵。2万円で販売したが、購入した方から『安すぎませんか、最低5万円はつけるべき』と言われた。これまでに180点出して4点売れてない」
伊地アナ:「ほぼ完売ですね」
メルカリで販売したこの3カ月でおよそ2トンの粗大ごみを削減。売り上げはおよそ20万円でそのお金は、ごみ処理費用にあてられます。
販売できないモノも…
ではどのようにして、品物を選別しているのでしょうか?
粗大ごみの中から使えそうなものをピックアップし、傷がどれだけついているかなどくまなく調べます。
こちらが候補となる品物で、こちらは出品できない物。その中には自転車もありました。
伊地アナ「状態の良い自転車、使えそうな家電製品、扇風機とか健康器具とかもダメなんですか」
山添さん:「自転車は私たちだけでは整備ができない。それなので、購入者の安全を担保できないということで販売していない。家電については、機能がたくさんあって、本当に長く使えるのか分からないので、いまは出していない」
整備が必要な自転車のほか、靴やバッグなどのブランド品は本物なのか鑑定ができないため、出品していません。
ごみの処理が本業の職員たち。通常の業務に支障をきたさないことを前提でショップを運営しています。
購入者は…
購入者「意外と来てます。これまで5点ぐらい買いました。沼津なんですが、妻がメルカリをやっていて、三島市が出品されているのを見て、『ごみを減らそうとしているのはすごい』と、三島市のショップページを登録して、出品すると新しく(通知が)来る。それでほしいのが出ると休みの日に取りに行く。新品なんですよね、これ。カラーボックス500円」
元々は1300円で売られているカラーボックス。1人暮らしを始める娘さんのために購入したそうです。家族のために頑張ってとりにきたんですね。
三島市在住の女性も利用者の1人。
利用者の女性:「3点購入した」
スタッフ「いろいろな物が乗っている」
利用者の女性:「集めているポケモンを並べるのが目的で」
小物入れとしても重宝されているそうですが、気になるお値段は?
利用者の女性:「こちらの棚が500円。こちらの飾り棚も500円、こちらは最初5000円だったのが、値引きされて500円になったので購入した」
清掃センターの倉庫には広さに限りがあるため、早く売れるよう、積極的に値下げしているそうです。
一度使った物を再利用するリユース品。
スタッフ「よくリユース品を購入する?」
利用者の女性:「ほとんどリユースの物ばかり。今着ている洋服もほぼ古着、乗っている車も中古車」
スタッフ「リユース品に抵抗は?」
利用者の女性:「全くないリユース品を買って“命を蘇らせる”」