世界一のジェラート…牧野良弘さん「65歳にして目標が見つかった」 新たに国際大会で2つの賞 /今年の静岡 世界が認めた味①
今年7月、向かったのは静岡市駿河区の洋菓子店「魔法のケーキ屋さん ぷるみえーる」。オーナーシェフの牧野良弘さんが、世界一を獲得したひとり。
牧野良弘さん:「みんな俺のほうを指さすんです、オレ?って言って。それはビックリしましたね」
ジェラートの本場イタリアで行われた世界大会「ジェラートフェスティバル」。牧野さんのジェラートが世界一に選ばれたんです。
伊地健治アナウンサー「おお鮮やかな色」
牧野良弘さん「リンゴとバニラとシナモンとレモンとお酒が入ってる」
勝負したのはリンゴを使ったシャーベット。
牧野良弘さん:「たぶん、みなさんミルクと生クリームをベースにするジェラートをつくると思った。それで一番自信のあるところで、ブラッシュアップさせてリンゴという素材を使った」
狙いは的中、世界一の栄光に輝きました。
伊地アナ「これですね1位になったジェラート。うーん、なにこれ、冷たいけどおいしい。リンゴのさわやかな、しかも普通のフレッシュなリンゴというよりも、焼きリンゴのようなコクのある甘さ。これはたまらん」
世界大会に挑戦して5年。ようやく勝ち取った世界1位です。牧野さんはなぜ、挑戦を続けたのでしょうか。
牧野良弘さん:「ただ毎日頑張って作ってもなかなか評価されない。そこでコンテストに出ようと思って。どこまで通用するか分からなかったけど、世界大会に出て評価されて、静岡でもこのぐらいのものが食べられますよ、というのを表現しようと思って」
さらに国際大会で2つの賞
取材から5か月後、20日水曜日。クリスマス一色の店内に、牧野さん。その後、お変わりはないですか?
牧野良弘さん:「えー、2つほど増えてます。こちらのイタリア・パレルモに行って9位になった時の賞。こちらがMIGという大会なんですけど、そこでとった賞状」
なんと、イタリアで開催された2つの国際大会に出場していました。しかも世界の50人に選ばれ、その中で9位を獲得したそうです。
Q.世界大会は年間で何回もある?
牧野良弘さん:「そうですね、僕の知っている限りは5回、そのうちの4回は私出ました。イタリア人たちに認められると結構、融通が利く」
夏の世界大会で1位を獲得したおかげで、イタリアでの支援者が増えたといいます。現地では日本人の優勝は話題となり、牧野さん一躍、時の人に。大会の主催者から「お城」のような宿泊地が用意されたんだとか。
「世界一」がきっかけで新店舗
世界1位の影響は、県内でも…
牧野良弘さん:「来年おかげさまで、けやき通りで新しい店を出店させていただく。たまたまそこの社長からお声がかかって、やらないかと言われて」
なんと、「世界一」の称号がきっかけで、新しい店舗をつくることに。
実は、11月出場した世界大会で心残りができたそうです…
牧野良弘さん:「どうしても欲しいトロフィーが1個あって…。これ欲しい、こんなでかいトロフィー見たことがない。とったらリタイヤしようかなと。目標があるからやれる。その目標が65歳にしてみつかっちゃった。うちのスタッフの皆様には申し訳ないけど、ちょっとトライさせてください」
まずは直前に迫ったクリスマスのケーキ作りに集中。そして1月にはまたイタリアのコンテストに挑戦するそうですよ。