日経平均株価が初めて4万円台に 県民の生活は変わるのか?
週明けの東京株式市場で日経平均株価が初めて4万円台となりました。県民の生活へはどのような影響があるのでしょうか?
モニターに映し出される「4」の数字。
4日、東京株式市場の日経平均株価が史上初の4万円を超えました。
2月22日には、元号が平成へと変わった1989年に記録した史上最高値3万8915円を34年ぶりに更新。
連日、その動向に注目が集まっています。
静岡県民は
株式市場が景気に与える影響について、県民はどう感じているのでしょうか?
静岡市民 60代:
「大学出て就職した当時、バブルで、その頃日経平均最高値をつけたが、その後、すぐバブル崩壊となって、天国と地獄を見たというところもあるが、今の実体経済と合っているかどうかというと、ちょっとそこはクエスチョンというところ。」
静岡市民 80代:
「株って分からない。だけど、みんなが喜んでいるから、上がった方がいいかなとは思っている。あまり身近に感じないから、物価もどんどん上がっちゃうのかしら。生活はどんどん大変になっていく、私たちの場合は」
富士市民 40代:
「景気が戻ってきている感じはしない。商売をやっているが、コロナ禍よりもちょっといいぐらいの感じ。これから良くなっていくのかなと思う。」
静岡市民 50代:
「企業がこの春闘でどれだけ賃上げするのかというのが、それによって全体的に底上げしていけば、今の物価高にも追いついていくし、そうすればもう少し実感が出てくると思う。」
県民からは景気が良くなっているという実感はないものの、期待感は大きいようです。
今後の景気について、専門家はー。
証券会社のプロは
静岡東海証券 本店営業部 中村剛久部長:
「原材料費が上がって、商品自体の値段が上がってきているのは否めないが、インフレといって、物価が徐々に高くなっていくというのは決して悪いことではなくて、お金を有効に使って、物を買う、増やす。企業もいろんなものが売れ始めてくると、お金も回り始め、売価が少し高くてもという形になってくるので、それが売れれば企業も売り上げが上がってくる。企業業績も良くなるから賃金も良くなるというふうに、循環してくるので、物価高で景気が悪くなるということではなく、将来的にはむしろ景気が徐々に良くなってくる可能性を感じる。」
大企業は業績を伸ばし、賃金も上昇傾向に。
一方、数の上では圧倒的多数を占めるのが中小企業です。
中小企業は
堀 優奈アナウンサー:
「静岡市清水区です。この辺りは工場が多く建ち並んでいます。日経平均株価が最高値を更新し、株式市場が盛り上がりを見せる中、中小企業ではどう見ているのでしょうか?」
精密板金加工を行う「山崎製作所」。
おととし町工場のイメージを変える、新しい社屋に建替えられました。
2015年には女性を中心としたオリジナルブランド「三代目板金屋」を立ち上げ、インテリアやかんざしなどのアクセサリーを製作販売。
今では国内に留まらず、世界から受注があるといいます。
ものづくりが盛んな静岡で、常に新しいことに挑戦を続けるこちらの会社。
株価上昇による影響を聞いてみると・・・。
山崎製作所 山崎かおり代表取締役社長:
「中小の小さい会社なので、全くピンとこない。まだまだ原材料費や電気料金の高騰、いろいろ補助は入っているが、利益率、利幅が圧迫されている状況は変わっていない。」
原材料費の高騰などによる経営の厳しさはあるものの、笑顔で前を向く山崎社長。
ただ、大手企業が、今年の春闘で、業績を反映した賃上げをする予定のなか、多くの学生が大手企業に流れる可能性もあり、今の課題は、「人材確保」だといいます。
人材確保のために
そんな中、質の良い雇用に繋げようと行っているのが「オープンファクトリー」という取り組みです。
山崎製作所 山崎かおり代表取締役社長:
「一般の方を招き入れて工場を知ってもらおうと、工場で働く人がどんな感じで働いているのか、また実際にワークショップといって、ものづくりを体験してもらう中で、楽しさ知ってもらう活動をしている。」
実際に、工場の作業を見てもらうことで、ものづくりの技術を発信し、雇用に繋がっているといいます。
こうした努力をしながら、人材確保を進めているそうです。
山崎製作所 山崎かおり代表取締役社長:
「企業価値を上げていくこと、いろんな面があると思うが、もちろん経済面でもあるし、企業のブランディングというところで、山崎製作所はこういう会社だというのを一般の方にも、雇用の面でも、学生にも伝えられるように、力を入れていかなければいけない」
日経平均株価が初の4万円台という大台を突破したものの、モノづくりを支える中小零細企業の環境改善は依然として道半ばの状況。
日本経済は再び明るくなっていくのでしょうか?