園児置き去り死事件を受けて全国のこども園などの送迎バスの安全装置設置状況が3月末で100%に
静岡県牧之原市の園児置き去り死事件を受けて、去年から義務化されたこども園などの送迎バスの安全装置設置状況について、こども家庭庁は、3月末時点で100%に達したという見込みを発表しました。静岡県内の幼稚園を取材しました。
和田佳代子記者:
「バスのエンジンを止めると、車内点検を行ってくださいと、警告音声が流れます。バスの後ろに設置されてあるこちらのボタンを押すと、音声が止まるようになっています」
静岡市駿河区の「静岡聖光幼稚園」。
ここに通うおよそ70人の園児のうち、25人が送迎バスを利用しています。
園は去年3月バスに安全装置をつけました。
学校法人大石学園 静岡聖光幼稚園 大石竜士副園長:
「子どもの安全を守るのに、最終確認の1つの方法として、取り入れている」
この園では送迎に付き添う職員が、園児と一緒にバスを降ります。
そしてバスの運転手がエンジンを切ると、警報アナウンスが流れバスの中の一番後ろにあるスイッチを押さなければ鳴り止みません。
運転手が後ろまで行く、この移動の間に子どもを置き去りにしていないか目視で確認して、見落としを防ごうというのです。
学校法人大石学園 静岡聖光幼稚園 大石竜士副園長:
「もともと運転手が最後まで残って点検をしていたので、やる工程としては変わりはないが、それでも機械的でもいいので、確認する動作が(さらに1つ)入ったことで、より安全性は増したと考えています」
河本千奈ちゃんが園のバスに置き去りにされ死亡した事件を受けて、国は去年4月から送迎バス1台あたり最大17万5000円の補助金を出して、安全装置の設置を義務化しました。
システム導入で100%安全ではない
子ども家庭庁によりますと、3月末時点で全国の送迎バスおよそ5万4000台について、安全装置の設置状況が100%になった見込みだということです。
学校法人大石学園 静岡聖光幼稚園 大石竜士副園長:
「機械システム導入したからといって、それで100%安全だとは言い切れないと思います。やはりヒューマンエラーは起こり得るものなので、そのシステムをどのように生かしていくか、事故が起きないようにトライしていくかが大事かなと考えている」
子ども家庭庁は安全装置の設置だけでなく、送迎バスを降りる際に職員による点呼も義務付けています。
学校法人大石学園 静岡聖光幼稚園 大石竜士副園長:
「適切なコミュニケーション。職場環境をよくしておくことが大事かなと思います。一見バスには直通しないかもしれないが、そこでのコミュケーションで何かふとした違いに気づいて、みんなでカバーしあう。こういったものが大事かなと思います」