【静岡高校野球】夏の注目選手紹介【1年生編】

父は県最多の通算本塁打を放ったスラッガー

 いよいよ今月6日に熱戦が始まる静岡大会。今回は少しマニアックに切り込み、この夏デビューが期待される注目の1年生を紹介していきたい。
 まず1人目は浜松城北工の松本惺摩。入学早々、レギュラーとなり、夏の大会は「1番サード」でのスタメン出場が濃厚だ。大会前、最後の練習試合(6月30日)では無安打に終わったものの、打席での雰囲気の良さが印象に残った。
 父の章氏は興誠(現浜松学院)時代に県最多の高校通算64本塁打を放ち、社会人のヤマハでもプレーしたスラッガー。同じように、大きく育ってほしいと願う。

父の背中を追いかける松本惺摩(浜松城北工)
父の背中を追いかける松本惺摩(浜松城北工)

 沼津商の後藤幸樹もスタメン起用が予想される。中学時代は「伊豆ベースボールクラブ」の主将を務めて東海大会出場。身長180センチの大型内野手で入学してすぐの練習試合で本塁打を放った。50メートルを6秒3で駆け抜ける足も魅力。「高校では注目されるような選手になりたい」と意気込む。

スケール感のある後藤幸樹(沼津商)
スケール感のある後藤幸樹(沼津商)

 杉山一樹(現ソフトバンク)、紅林弘太郎(現オリックス)を輩出した駿河総合で二塁のレギュラーの座を掴んだのが石川朔太郎。望月俊治監督が「トリッキーなプレーもできる」と話す守備は落ち着きがある。打撃も高校レベルの球に対応ができるようになり、徐々に安打数が増えている。

ソツのないプレーを見せる石川朔太郎
ソツのないプレーを見せる石川朔太郎

 常葉大菊川の小川優人も練習試合で出場を続けてきた。俊足強打の中堅手。爆発力のあるプレーでチームを勢いづけたい。
 また、静岡の名取凜人は走攻守の三拍子が揃い、静岡市立の山下聡太は小柄ながらパンチ力を秘める。身長184センチ体重95キロの恵まれた体格を持つオイスカ浜松国際の慶田盛海志も注視したい。

将来性が楽しみな1年生

 静清の藤浪ムサシはキレのあるストレートを投げ込む左腕。小、中学時代は全国大会出場を経験。中学3年夏にはボーイズ中日本選抜の一員として世界少年野球大会優勝にも貢献した。困ったときに頼りになる選手だ。
 進学校に進学した左腕2人も見逃せない。楽しみ。浜松北の榎本智文は柔らかい肩関節を生かして鋭く腕を振る。気持ちを前面に出すスタイルで思い切って打者の内角を突く。
 清水東の影山慶は身体能力の高さが目を引く。体が出来上がったときが楽しみだ。
 右腕では掛川東の浅田陽天が登板機会を待つ。顔が小さく、手足の長い投手らしい体型で、しなやかに腕が振れる。体重アップに比例して球速アップが見込める本格派だ。

ストレートとカーブで打者を抑える浅田陽天(掛川東)
ストレートとカーブで打者を抑える浅田陽天(掛川東)

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著者 栗山司
くりやま・つかさ 1977年、静岡県生まれ。スポーツライター・編集者。雑誌『野球小僧』の編集者を経てフリーに。2012年に地元・静岡に根差した野球雑誌『静岡高校野球』を自費出版で立ち上げ、年2~3回発行。ブログ『静岡野球スカウティングレポート』(
http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/
) でも県内の野球情報を発信する。
「静岡高校野球2024夏直前号」が現在発売中。お求めは静岡県内書店にて。
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