【静岡高校野球】強豪が激突! 2回戦の見どころ

 静岡大会は13日の2回戦からシード校が登場する。今回は注目カード5試合をピックアップした。

静岡vs浜松西

【名門の初戦はいかに】

昨年は夏秋と初戦敗退を喫した静岡。今春は県準優勝と巻き返した。3年ぶりの甲子園に向けて好スタートを切りたいところ。カギを握るのはエースの谷脇健介。春の東海大会では敗れたものの、8回2失点の好投を見せた。対する浜松西は春から夏にかけてチーム状態を上げてきた。注目は「1番キャッチャー」の中村莞大。シャープなスイングが持ち味で、初戦は3安打を放っている。

静岡のエースを務める谷脇健介

磐田東vs静岡市立

【両監督の采配も注目!】

健大高崎(群馬)のコーチを務めた赤堀佳敬監督が就任し、ユニフォームを一新した磐田東。最速145キロの寺田光を擁して上位進出を伺う。シード漏れしたが、ベテランの安井信太郎監督が率いる静岡市立も侮れない。1番打者の水口啓太、4番打者の小林夕真がともに初戦で3安打とあたっている。両監督がどのような采配を見せるのかもポイントとなりそうだ。

常葉大菊川vs浜松開誠館

【優勝候補に挙がる同士の対戦】

2回戦屈指の好カード。浜松開誠館の投手陣は松井隆聖、伊波龍之介の2本柱で盤石。強力打線も健在で、昨夏の甲子園を経験した加藤蔵乃介、竹内文太、大迫翔輔に加え、投手から転向した身長184センチ体重87キロの大型スラッガー・中村航大が覚醒中だ。一方、常葉大菊川は2年生左腕の石黒巧と大村昂輝が踏ん張りたい。初戦では強打者の勝亦望向に本塁打が出るなど打線は上向きだ。

パンチ力のある打撃を見せる勝亦望向(常葉大菊川)

浜松工vs小笠

【シード食いなるか?】

小笠は1年夏からバッテリーを組んできた村上明来、榑松陽大が集大成の夏を迎える。右腕の八木翠暖が故障から復帰して夏に間に合ったのも好材料。実力校の浜松工にどう立ち向かうのか。初戦で「膝つき打法」として話題となった松下瑞希の打席も必見だ。

韮山vs加藤学園

【進学校の強みを生かして挑む】

春の県大会を制し、第1シードで迎える加藤学園。投打ともに戦力が充実し、初の夏甲子園出場を見据える。挑むのは浜松北との進学校対決を制して波に乗る韮山。昨夏は優勝した浜松開誠館に善戦するなど強豪相手でも怯まないチーム。下級生時からマスクをかぶる主将の小川勝也がチームの要。鍛えてきた「観察力」を発揮して接戦に持ち込みたい。

韮山は初戦でランニング本塁打を放った小川勝也がチームを牽引

 その他、46年ぶりにシード権を獲得した川根は聖隷クリストファーと対戦。初戦を迎える最速152キロ右腕・小船翼(知徳)も見逃せない。

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著者 栗山司
くりやま・つかさ 1977年、静岡県生まれ。スポーツライター・編集者。雑誌『野球小僧』の編集者を経てフリーに。2012年に地元・静岡に根差した野球雑誌『静岡高校野球』を自費出版で立ち上げ、年2~3回発行。ブログ『静岡野球スカウティングレポート』(
http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/
) でも県内の野球情報を発信する。
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