海長寺の日海上人が1498年の明応東海地震での被害を書き残した資料を書籍化した「日海記の世界」を静岡県に贈呈 静岡市清水区

地震などの災害対策に役立ててもらおうと、静岡市の寺の住職らが室町時代に起きた大地震の被災状況を記した本を静岡県に贈呈しました。

 静岡市清水区の海長寺の住職から鈴木知事に贈呈されたのは、4月に書籍化された「日海記の世界」です。

 この本は、明応東海地震が発生した1498年に、海長寺で住職をしていた日海上人が、津波被害や復興の様子を記録した書物をもとに作られたものです。

 明応東海地震による津波では、藤枝市や焼津市などを含む当時の志太郡地方で2万6000人が死亡しました。

 こうした被害を県内の関係者にも広く知ってもらおうと、現在の住職らが日海上人の記録を現代語訳し、静岡大学の小和田哲男名誉教授らが考察を交えて編集したということです。

海長寺・中條暁秀住職
「『大浪(津波)は大地動くの時これあり』というふうに日海上人は書いているので、日海さんは迅速に行動せよということをおっしゃりたいんだろうなというふうに思う」