家計とレストラン経営を直撃 困った!トマトが高騰
食卓を彩るサラダや洋食など、様々な場面で活躍するトマト。今、夏から続く暖かさの影響でそのトマトに異変が起きているといいます。
トマト共和国河原崎農園 河原崎善康園主
「例年にない酷暑で、トマト自身がギブアップ」
藤枝市のトマト農園から聞こえてきたのは「嘆きの声」。
背景にあるのは今年の夏の猛暑です。
静岡市の7日の最高気温は【20℃】と平年並みでしたが、来週には再び“夏日”に迫る気温が予想されています。
こうした“夏の暑さの名残”がトマトの成長にも影響を与えているようです。
トマト共和国河原崎農園 河原崎善康園主 藤枝市
「実はつくけど大きくならない。酷暑だとパチンコ玉の大きさで終わってしまう。」
こちらでは真っ赤なミニトマトの「プチルージュ」やカラートマト、2019年に生まれた令和のトマト「ほれまる」を育てています。
「あまーい。ものすごく甘いです。フルーティで果物のような甘さ」
河原崎さんによるとトマトを育てるための適正温度は22℃とだといいます。
ただ、厳しい暑さが続くとビニールハウスの中はかなり高温になるそうで・・・
トマト共和国河原崎農園 河原崎善康園主
「ハウスも7月~9月の3カ月間は、ハウスの真ん中に行くと52℃~53℃。人間もいられない状態」
適正温度をはるかに超え、トマトが耐えられなくなる状態に。
水やりをして直接温度を下げたり、屋根に紫外線を抑える塗料を塗るなど、少しでもハウス内の温度が下がる対策をしていますが、今年はなかなか苦戦しているといいます。
11月に入った現在もビニールハウス内は30℃を超えていて、まだまだトマトにとってはうれしくない状況です。
スーパーでは
実際、こうした影響はスーパーでも・・・。
静岡市内のスーパーでは7日のトマトの価格は1つ214円(税込み)。
「夏トマト」が安く出回る8月には139円(税込み)だったため、その差は歴然です。
また、ミニトマトは現在258円(税込み)ですが、今年は暑さの影響で一時、1パック430円(税込み)まで高騰したそうです。
ランチセットが人気の店では
こうした事態に、トマトを扱うお店でも悲鳴がー
CoCo OiDE 金子喬平オーナーシェフ
「一時に比べて倍以上かかっている。正直厳しい」
静岡市にあるCoCo OiDE(ここおいで)。
トマトが入ったオイスターサラダや、トマト煮込みなど、常時およそ18種類の総菜を用意し、ランチセットを注文すると、サラダバーがついてくる人気店です。
やはり、価格高騰の影響もあってか、トマトを食べられるサラダバーは人気のようです。
Q.トマトは人気?
「そうですね。トマトは以前よりよく出る」
その一方で、仕入れるトマトをめぐっては大変な状況に・・・
CoCo OiDE 金子喬平オーナーシェフ
「いつも契約農家から仕入れていたが、暑い期間はお休みしているので、スーパーで仕入れている。」
シェフの金子さん自らスーパーを何店舗も回り、少しでも安く仕入れられるようにしているといいます。
それだけトマトは欠かせない存在です。
CoCo OiDE 金子喬平オーナーシェフ
「(トマトは)お店の調理の彩りをよくしてくれる大事な存在」
Q.トマトを使わないという選択肢は?
「ないです」
スーパー田子重の店長は
サラダに欠かせないトマト。
静岡市のスーパー田子重によると、もう少し気温が下がれば価格も安定してくるといいます。
増田店長 田子重 西中原店
「この暑さが和らいできて、いろんな産地からトマトが仕入れることができるようになれば、お値段が下がってくると思います」
ただ、現在はキャベツやキュウリも高騰傾向になっているといい、今後はトマトだけではない、サラダをめぐる値上げの波が家計に重くのしかかるかもしれません。