天候不順で静岡・北駿地域の特産「水かけ菜」に意変が…

雨の少なさや寒波で早咲きのサクラの開花が遅れたり、生育不良の一部野菜が高騰したりしています。最近の天候不順の影響は静岡県の北駿地域の早春の味にも及んでいます。
御殿場市上小林。富士山の湧水が流れ込む水田で、青々としているのは北駿地域の特産、水かけ菜です。刈り取りをしているのは、生産組合の組合長を務める鈴木平作さんと妻の和子さんです。
例年1月中旬には収穫を始め、今が最盛期だそうですが…。
●難波亮太記者:
「例年だとこの時期3分の1の収穫を終えているそうなんですが今年はまだこちらの畝の収穫しかできてい
ないということです」
●水かけ菜生産組合 鈴木平作組合長:
「(2024年)11月から12月、1月と雨が少なかったのと、あと気温が低かったためですね」
鈴木さんによると水かけ菜の生育には特に雨が欠かせないそうですが、市内の2024年12月の降水量は0ミリ。(平年12月の数値104・3mm)
1月も平年の半分にも満たない45ミリしか降らず、水かけ菜の生育が不十分でほとんどのほ場が鈴木さんと同じように手つかずだということです。
●鈴木平作組合長:
「自然のことだからなかなか予測はできないから難しい部分があるんですけど、注文が結構組合のほうに入っているんですけど、入ってる分をみんなに届けられればいいかなと思うんですけど届けられなかったら大変」
影響はすでに出ています。ファーマーズ御殿場で15日開催された水かけ菜漬まつり。地元の農産物を買い求める人でにぎわう中、メーンの水かけ菜のショーケースは正午の段階で空っぽ…。供給不安定のお知らせが寂しそうに張られていました。
水かけ菜は生育が進み花が付くと、食べられる部分が固くなり食感が悪くなります。
●鈴木平作組合長:
「3月になるとあくも出てくるんですよ。ですから寒い3月の10日ぐらいまでに大体(収穫を)終えないと」
主に漬物として食卓に並ぶ水かけ菜ですが、2024年6月から漬物の製造販売が許可制になったことで、生産を止める農家もいて作付けは減っています。
天候不順と法改正。ダブルパンチに見舞われている2025年の水かけ菜。それでも地域の味を守るため、しばらくは天気とにらめっこをしながらの収穫が続きます。
●鈴木平作組合長:
「御殿場、小山だけの伝統的な野菜であり、御殿場、小山の特産品でもあるのでこれを何とかずっと残していけるようにできればいいかなと思っています」