引っ越し繁忙期に直面するのは…深刻なドライバー不足に資材費、燃料費などの高騰

迫る引っ越しの繁忙期を前に、国からは異例の呼びかけが行われました。背景にいったい何が?静岡県内の現状を取材しました。

嶋田光希アナウンサー
「静岡市内の引っ越し業者に来ています。こちらの倉庫には普段の倍以上の資材を準備して、来月迎える引っ越し需要のピークに備えています」

 静岡市の引っ越し業者は、まもなく迎える本格的な引っ越しシーズンに危機感を抱いていました。

新静岡引越センター 今野祐輔社長:
「待機時間とか結構規制が厳しくなったので、(予約は)ちょっと調節しながら計算して取るようにはしてますけど、そうするとちょっと少なくなる。全体量としては」

 例年よりも、予約の数を絞らなければならないといいます。

嶋田光希アナウンサー
嶋田光希アナウンサー

深刻なドライバー不足

 その背景には…。

中野洋昌国交大臣:
「いわゆる“2024年問題”に直面しております」

 働き方改革の一環として、去年から始まったトラックドライバーの残業規制。

 労働時間が短くなったことで、引っ越し業界でも深刻な人手不足が発生しています。

新静岡引越センター 今野祐輔社長
「(ドライバーの)取り合いはあるのかもしれないですね。もちろんお給料をできるだけ上げるように工夫はしています」

 転勤や進学に伴う引っ越しがある3月は、業界にとって最も忙しい時期。

 こちらでも、すでに3月下旬は7割近く予約が埋まっています。

 取材中にも…。

新静岡引越センター 今野祐輔社長:
「お電話ありがとうございます。新静岡引越センター、今野です。ご希望のお引越しの日時はいつですか?できるだけ頑張ります。せっかくご予約いただいたので」

新静岡引越センター 今野祐輔社長:
「(今は)転勤のお客様。3月末、最終週くらいに集中して問い合わせが来ています」

 こうした事態を受け、国も異例の呼びかけです。

中野洋昌国交大臣
「引っ越しをご予定の皆様におかれましては混雑時期をできるだけ避け、引っ越し時期の分散に向けてご検討ご協力をお願いいたします」

 3月15日から4月6日までの期間、引っ越しを避けるよう呼びかけましたが…。

ネットの声
「引っ越す時期をずらせたら費用も安く抑えられるけど、学校や仕事の都合を考えるともうどうすることもできない…」

すでに3月下旬は7割近く予約が
すでに3月下旬は7割近く予約が

資材費、燃料費、人件費の高騰

 繁忙期のドライバー不足。そこに追い打ちをかけているのが…。

新静岡引越センター 今野祐輔社長:
「資材と人件費とが上がっているので、経営としては苦しいです」

 資材費やトラックの燃料代、人件費など、物価高騰のあおりを受けて、引っ越し料金は毎年のように値上げせざるを得ない状況です。

ネットの声:
「3月に引っ越そうと思って見積り取ったら想定の3倍だった…」

 取材した静岡市の業者の場合、3月の前半と後半では静岡から東京への単身の引っ越しで、15万円ほどの価格差があります。

新静岡引越センター 今野祐輔社長
「バランスが難しいところですね。できるだけお客さんにも満足してもらって、ドライバーさんも集めたいというところでいろいろ悩んでいます」

 今年の引っ越しは、余裕をもって予定を組む必要がありそうです。

新静岡引越センター 今野祐輔社長
新静岡引越センター 今野祐輔社長