新しい県営野球場の需要調査結果が一部しか公表されていなかったことを自民改革会議が追及 静岡県議会

浜松市に建設が計画されている新しい県営野球場の需要調査の結果が一部しか公表されていなかったことについて、自民改革会議の県議が議会で追及しました。
自民改革会議・鈴木利幸県議(浜松・中央区選出):
「県が試算したとされる建設費から今後も大幅な増加が見込まれる中、建設費が県民の支払う利用料金に跳ね返ってしまわないよう、規模構造を慎重に検討すべきであると考えている」
新野球場を巡っては、静岡県が基本計画で2万2000人規模の多目的ドーム型と屋外型、1万3000人規模の屋外型の3つの案を示しています。
4日の一般質問で、最大会派・自民改革会議の鈴木利幸議員は、県が民間業者におよそ2200万円で委託して実施した去年3月時点の需要調査の結果について質しました。
自民改革会議・鈴木利幸県議(浜松・中央区選出):
「利用ニーズ、音楽興行等、可能性は低い。多目的スタジアムはコスト増。音楽興行はほぼないと、経営コンサルタントより既に提出されていることも付け加えておきます」
この調査結果は基本計画で「独立採算で野球場の建設費を回収することは難しい」「音楽興行のニーズはほとんど見込めない」などと抜粋して報告されていましたが、全文は公表されていません。
報告書には、プロ野球球団への聞き取りから「地方興行の毎年の開催を見込むことは難しい」とする結果も記載されていました。
また、資材価格や人件費の高騰からさらに膨らむ見通しの建設費について、これまで県はドーム型をおよそ370億円と見込んでいましたが、調査では450億円と試算されています。
静岡県交通基盤部・森本哲生部長
「今後、民間事業者から稼働率の向上や財政負担の軽減等に関する提案を広く求めた上で、建設資材の高騰や人手不足等の社会情勢を踏まえた最新の概算事業費収支見込み等を算出し、利活用推進協議会において野球場の最適案を検討してまいります」
鈴木知事は浜松市長時代、用途が広がることなどからドーム型を推進していて、浜松市や地元経済界もドーム型の建設を要望しています。
ただ、報告書の全文が公表されていなかったことが問題視されていて、6日から始まる常任委員会でも質疑がある見通しです。
自民改革会議・鈴木利幸県議(浜松・中央区選出)
「ドームという話はしません。はっきり言って。プロ野球は来ませんよ。音楽興行をやるだったら、アリーナ造ればいいじゃないですか。そういうことで、そういう方向性でいきます」