どうなる? 浜松市の新野球場 浜松市長らがドーム型スタジアムの建設を静岡県知事に要望 知事は難しいかじ取りに…
浜松市で建設が計画されている新しい県営野球場について、浜松市の中野市長ら地元有志が県庁を訪れ、ドーム型での整備を鈴木知事に要望しました。
午後、県庁の知事室を訪れたのは、浜松市で建設が構想されている新野球場の建設促進期成同盟会のメンバーです。
浜松市 中野祐介市長:
「3点お願いでございます。1点目としまして、自然環境に配慮し、天候に左右されない多目的ドーム型スタジアム、その建設を早期に実現をしていただきたいということ。2つ目としまして、野球以外の幅広いスポーツ、イベントも開催可能な仕様としていただきたいということ。それから、3点目としまして、プロ野球を開催できる2万2000人規模としていただきたいということ。この3点お願いをする次第でございますので、どうぞよろしくお願いいたします」
鈴木知事:
「私もこのプロジェクトは浅からぬ縁がございますので、経緯等も含めて把握をしているつもりでございますけれども、ぜひ皆様と一緒になって、将来にわたって県民に愛されて、活用される、そういう施設にしていかなければいけない、ということが基本だと思っております」
浜松市の篠原(しのはら)地区に建設が予定されている新しい県営野球場。計画地の面積はおよそ36万2000平方メートルで、その広さは東京ドーム9個分にもなります。
県はこれまでに、「3つの案」に絞って議論を進めてきています。建設費 維持管理費が最も安い1万3000人収容の屋外型、プロ野球も開催可能な2万2000人収容の屋外型、野球以外のイベントも開催できる2万2000人収容の多目的ドーム型の3つです。
新球場とは「浅からぬ縁」と表現した鈴木知事。かつては浜松市長として、ドーム型での新野球場整備を要望するため、知事室を訪れていました。
鈴木知事:
「もともとは遠州灘海浜公園のこの一帯をどういうふうなにぎわいのエリアにしていくかが重要だということで、どういう施設にしていくかについては、新たな協議会をぜひ私はつくりたいなと。県、市、関係者、できれば民間の皆様にもご参加いただいて、そういう民間の知恵も最大限活用しながら、コストダウンにも努めながら、いかにいい施設を造っていくかについて協議をしていく。そんな場も今後つくりたいと思いますので、ぜひご参加をいただきまして、一緒に知恵を絞っていければと思っております」
浜松の新野球場をめぐっては、知事選でも争点の1つとなりました。
鈴木候補(5月9日):
「リニアの問題も野球場の問題も全力を尽くして実現してまいりたい」
選挙戦の出陣式、地元浜松市民を前にこう宣言していた鈴木知事。その会場にはドーム型での整備を求めている地元経済界の関係者も並んでいました。
ただ、静岡市出身の対立候補が「ドーム型ありきの議論に反対」と表明したこともあってか、鈴木知事は浜松市以外での演説では、新野球場についてほとんど触れませんでした。
鈴木知事(11日):
「浜松市とか民間の皆さんの意見も聞きながら、さらに公園全体の構想を練り上げていくということがよろしいのではないかなと思っております。いずれにしましても、まずは議会の皆様と丁寧に議論をすることからスタートをする必要があるというふうに思っております」
野球場問題は、地域対立を再燃させかねないテーマだけに、鈴木知事は難しい舵取りを求められます。
浜松市 中野市長:
「ドーム型スタジアムもきちっと、浜松の地域エゴで、地域のためだけというつもりは我々は全く思っておりませんので、広く全県にも良い効果が及ぶような、そういった使い方もできるような、そういったものをぜひとも整備をしていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします」
鈴木知事:
「おっしゃるように西部地域だけではなくて、県全体の活性化につながるような、そういう施設にしていくことが、ひいては県民の皆様のご理解を得られることにもなりますので、ぜひそうしたことも協議会の中で一緒に話をしながら知恵を絞れればと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。よろしくお願いします」