静岡県西伊豆町の津波対策を研究 防潮堤の建設計画はないものの津波避難場所を200メートルごとに整備

地域社会学などの視点から静岡県西伊豆町の津波対策を研究した発表会が伊豆市で開かれました。
静岡大学の望月美希講師は、高齢化率が高く、防潮堤の整備がされてない西伊豆町に注目して、現地調査を行った研究成果を発表。
南海トラフ地震による津波が最大14.4メートルと予想されるものの、防潮堤の建設計画はなく、その理由として町の主要産業が海水浴などの観光業や漁業であり、防潮堤を望む声が強くないと説明しました。
一方で津波避難場所を半径200メートルごとに整備を進めており、津波避難タワーを平時も訓練に利用している特徴などを挙げました。
また災害伝承を調査した辻本侑生講師は、町内で29点の津波伝承を収集した結果、津波の痕跡を示す石碑などはなかったが、不動明王など地域に根付いた信仰の場が津波避難の場所になっていると紹介しました。