スズキが決算発表 売上高、営業利益とともに過去最高も「トランプ関税」の影響で2025年度の事業利益は減少する見通し

 浜松市に本社を置く自動車メーカーのスズキは、「トランプ関税」の影響で2025年度の事業利益が数百億円減少する可能性があると発表しました。

 3月3日、アメリカのトランプ政権が輸入自動車に25%の追加関税を発動させ、日本企業への影響が懸念されています。

 そうした中、スズキは12日の決算会見で2025年度の事業利益が為替の影響や人件費の賃上げ、原材料の価格変動などで1429億円減少する見込みだと発表しました。

 そのうち事業リスクとして挙げた400億円の半数は、トランプ政権の追加関税の影響だということです。

 インド市場を主力としているスズキは、トランプ関税の影響を強くうけないのではないかという見解もありましたが・・・

●スズキ 鈴木 俊宏社長:
「米中の影響はスズキは少ないのではないかと言われていますが、グローバルの問題で2カ国の問題では済まない。回りまわって影響は、随時出てくると考えている。景気後退はある程度覚悟しているが、そんな中でしっかりと売るということを実現して影響を最低限に抑えていく」

 二輪車とマリン事業については、トランプ関税による直接的な影響を受けているといい、ほかにも部品などが調達しづらく、原材料の高騰など間接的に影響を受けると考えています。

●スズキ 鈴木 俊宏社長:
「安定した状況にいるという立ち位置ではないと思っているので、しっかりと動向を見ながら右往左往せずに、スズキとしてできることは何かと考えて活動していくということで対応したい」

 一方、2025年3月期の決算は売上高、営業利益とともに過去最高となりました。販売台数の増加や為替の影響で売上高は4期連続増収、営業利益は3期連続増益ということです。

スズキが決算発表 売上高、営業利益とともに過去最高も「トランプ関税」の影響で2025年度の事業利益は減少する見通し