コメ不足、コメ高騰で注目される意外なモノ 初めて利用する人も増加 静岡

 備蓄米の放出によって市場価格を引き下げるために、重要な要素の一つが「流通速度」です。卸業者の精米や袋詰めに時間がかかっていることが、今の“遅れの一因”とされています。そのため「玄米での放出も検討した方がいい」という声も出ています。

コメ不足、コメ高騰で注目される意外なモノ 初めて利用する人も増加 静岡

柳貴斗ディレクター:「コメの価格高騰で注目が集まっているのが、コイン精米機。静岡県内でもある変化が起きているようです」

 一般的に数百円で、持ち込んだ玄米を精米できる「コイン精米機」。取材したこの日も、仕事帰りの男性が。

コメ不足、コメ高騰で注目される意外なモノ 初めて利用する人も増加 静岡

静岡市在住30代男性:「仕事終わって来ました。妻の知り合いの関係で、(玄米を)購入しました」

 2週間に1回ほど、仕事帰りにコイン精米機に寄るという男性。コメ以外にも様々な物価が上がっているため、少しでも節約したいというのが本音なようです。

コメ不足、コメ高騰で注目される意外なモノ 初めて利用する人も増加 静岡

静岡市在住30代男性:「購入とかは妻がしているので、ちょっとわからないところはあるんですけど、スーパーで購入するよりは全然安いと(妻から)聞いているので、子どももいるので、コメの消費は早いものですから1円でも安くなるなら、玄米から購入して、手間はあるんですけど、消費者としてはそっちを選びたいなと思います」

コメ不足、コメ高騰で注目される意外なモノ 初めて利用する人も増加 静岡

 こちらのコイン精米機では、2キロから7キロまでは100円で精米可能。管理・運営している会社には、今、使い方についての問い合わせが急増しているといいます。

コメ不足、コメ高騰で注目される意外なモノ 初めて利用する人も増加 静岡

ISEKIJapan関西中部カンパニー 山岸正典係長:「お問い合わせいただいたときに、『どうされたんですか』って質問させていただくと、親戚とか知り合いとか、遠方や静岡県内から玄米で送っていただいて、精米機でというのをすごく聞くようになった。白米で買えないので、玄米で購入して、初めて精米機を利用する方は増えているという実感はあります」

 静岡県内でおよそ200台の「コイン精米機」を管理・運営する「ISEKI」。これまで精米機の利用は8割以上が農家でしたが、コメ価格の高騰を受けて、新規で使う一般客の割合が増えていて、新たに使い方の張り紙を貼るなど、対応していました。

コメ不足、コメ高騰で注目される意外なモノ 初めて利用する人も増加 静岡

 一方で、こちらはコメ農家の男性。自らの田んぼで収穫した「にこまる」の精米に訪れていました。精米したコメは、家庭で食べたり、一部販売したりするそうです。コメ価格の高止まりについて、聞いてみると。

コメ農家:「コメの価格だけを言われているんだけど、本当にこのことは、燃料費高騰とかいろんなことで、コメだけじゃなく、いろいろな米を作るにあたっての価格が徐々に徐々に上がってきて、仕方ない部分があると思うけどね」

 今後、備蓄米を玄米のまま販売する企業が出てくれば、需要が急激に高まる可能性もある、「コイン精米機」。

ISEKIJapan 関西中部カンパニー山岸正典係長:「大変なことで増えるので、素直にうれしいと言ってしまうと、ちょっと申し訳ないんですけど、やはり企業としてはありがたいことかなと思います。利用率が増えている一方で、今まで使ったことのない方も玄米から精米して食べて、おいしいという話も聞きますので、ぜひ利用していただけるとありがたい」