「選挙前のバラマキだ」「減税すると簡単に戻せない」 参院選立候補予定者に聞く『給付』か『減税』か 静岡
衆議院で少数与党となった今、“政権選択選挙”との声も上がる、夏の参院選。19日で公示まで2週間、投開票日は1カ月後に迫っています。

牧野京夫氏
15日の日曜日、自民党富士宮支部の集会に参加していた、現職の牧野京夫(まきの・たかお)さん(66)。日米首脳会談を控えた中、こう訴えました。
自民党 現職 牧野京夫氏:「石破総理とトランプ大統領が合意してくれると本当にいいなと思っていますが、日本の国益を損なってまで、日本の産業が困るような関税の比率で妥協するわけにはいきませんので、こういう時に日本の舵取りをしっかりできることが我々しかいないよということを、我々は今度の参議院選挙で示していかなきゃいけないと思っています」

地元選挙区の深沢陽一衆院議員も、「攻めに転じる」と支援を呼びかけます。
自民党 深沢陽一衆院議員:「政治とカネ等の問題から、やはり自民党への信頼が損なわれてきた。今まではお詫び・謝罪の段階でしたけれども、小泉大臣がしっかりと『決断をして攻める』と。攻めればしっかりと国民が評価してくれるんだと」
一律2万円の現金給付について、牧野さんの考えは…。
自民党 現職 牧野京夫氏:「森山幹事長のところに伺ったり、党執行部の何人かと話をしたが、私は本当に生活に困窮している世帯、そういう方たちに給付すべきだと申し上げた。やろうとしているのは、困ってる方たちに、そういう世帯に手厚くすることなのでバラマキではない」
Q.「給付の与党」と「減税の野党」という構図も見えるが?
A.「減税は財源としての税を無くすことだから、それを恒久的にできるかどうか。例えば1年減税するという政党もあるが、実質的に国民の皆さんが受け取る額は変わらないんじゃないかと思う」

榛葉賀津也氏
去年の衆院選を機に、急上昇した知名度。地元でマイクを握った、国民民主党の現職・榛葉賀津也(しんば・かづや)さん(58)。
国民民主党 現職 榛葉賀津也氏:「103万円の壁を178万円まで上げて、税金を皆さんに返していこうって言ったら、自民党・財務当局はそんなの財源がないからできないよって。財源がないと言った石破さんがびっくりしたよ。選挙の前に1人2万円、子どもには4万円、非課税世帯にも4万円、皆さんに給付して差し上げますと。ちょっと待て、税金を皆さんに給付してあげますって、何を上から目線で言ってるんですかって。そのお金は誰のものですか。国民のものです。取り過ぎた税金を選挙の前に配るんだったら、最初から税金を取るなって話だ。最初から税金取らなきゃいいんだよ」
103万円の壁の引き上げやガソリンの暫定税率の廃止で、自民・公明の幹事長と合意した当事者ですが、いずれも進展のないまま、150日間の国会は閉会しようとしています。
国民民主党 現職 榛葉賀津也氏:「やはり選挙の直前になって現金給付っておかしいね。しかも党首討論でうちの玉木がたった6分間しかないのに、そのことを何度も確認したよね。税収の上振れ分を国民にばらまくことはしないですねって言ったら、石破さん考えてないって言ってましたよね。やっぱりやるんだね。党からの要請とか、でも決めるのは政府だからね。そういう2枚舌じゃ使わない方がいいと思います。それだったらガソリン税下げてくれ、所得税下げてくれ、消費税下げてくれ。それが筋じゃないですかね」

鈴木千佳さん
共産党の新人・鈴木千佳(すずき・ちか)さん(54)。与党の現金給付に批判的な立場です。
共産党 新人 鈴木千佳氏:「自民党・石破政権は、森山幹事長が自分の政治生命をかけて消費税減税は反対するんだと、お金をばらまくような給付金ということが出ていますが、これで本当に暮らしや景気は良くなるんでしょうか。一番効果のある消費税の一律5%への引き下げを実現する。これが私たち日本共産党の提案です」
参院選の公約として、「消費税の一律5%への緊急引き下げ」を掲げた共産党。平均的な世帯で、年間12万円の減税になると主張しています。
共産党 新人 鈴木千佳氏:「選挙のために給付金ということで、ちょっと国民を馬鹿にしているんじゃないかなと。それでは暮らしは良くならないし、党利党略の政策だと見抜かれるんじゃないかなと思っています」

松下友樹氏
初めての選挙、初めての事務所開きです。参政党の新人・松下友樹(まつした・ゆうき)さん(41)。
参政党 新人 松下友樹氏:「政府は、自民党は、私たちがこれで豊かになるって、できてないんですよ。こんな緊縮増税の経済を、間違った経済を続けてきたから、私たちは絶対豊かにならない。だから私たちは消費税を廃止、そしてそこにしっかりと積極財政で、皆さんの持ってるお金のパイを増やすんです」
松下さんは、消費税の段階的廃止を訴えています。与党の一律2万円給付について、松下さんは…。
参政党 新人 松下友樹氏:「毎度のパターンだなと。選挙前に国民にお金を配って票取り、一般の国民の皆さんには理解してほしい。いつもやるニンジンぶら下げのパターンですね。よくないと思います」
Q.給付の与党vs減税の野党という構図については
A.「結局、選挙前の短期的なバラマキ、減税もお金で釣っている。我々は中長期のこれからの未来の日本を考えた上での減税が必要との主張です」

福原志瑠美さん
政治団体「NHK党」の新人・福原志瑠美(ふくはら・しるび)さん(42)は、与党の一律2万円給付は「選挙が近いと金をばら撒く、ご機嫌取りだ」と批判し、「物価高対策として重要なのは賃上げ」と主張しています。

山口香苗さん
政治団体「無所属連合」の新人・山口香苗(やまぐち・かなえ)さん(46)は、「給付の金額も少ないし、事務コストもかかるので、減税すべき」との考えで、「物価高の抑制よりも、賃金アップが大事」としています。
