参院選候補予定者に聞くコメ問題 コメの「適正価格」はいくら? 静岡
参院選の争点のひとつコメ問題。静岡選挙区の立候補を予定者に考えを聞きました。

自民党 現職 牧野京夫氏
自民党 現職 牧野京夫氏:「今、おコメの問題がクローズアップされていますが、それだけではありません。国民の審判を仰いだ後に、ちゃんと落ち着いた環境で腰を据えて、この国の行く末のためのいろんな重大な課題をみんなで話をしながら解決していくことが私は一番大事だと思っております」
静岡・葵区 5月24日
自民党の現職、牧野京夫(まきの・たかお)さん(66)。5月、自民党議員らが集まる中、静岡市で事務所開きを行ったのは、小泉農水大臣の就任直後のことでした。
自民党 現職 牧野京夫氏:「小泉新農水大臣、昔から割と懇意にしていますけど、彼はとにかくいろんな難しいことでもチャレンジしていく人ですから、あと1カ月半の間におコメについては効果が出てくるんじゃないかなと期待しています」
この週末に行われたANNの世論調査で、石破政権の支持率は34.4%に上昇。前回1カ月前の調査よりも6.8ポイント上昇していて、小泉農水大臣が進めた備蓄米の売り渡しについて、「評価する」と答えた人が72%に上りました。
果たして、“追い風”になるのでしょうか。
自民党 現職 牧野京夫氏(8日):「これまでの通例から言うと、随意契約はできないと思っていたのを、私は小泉さんがそういう英断をしたことで、一つ何か殻を破ったなと思っていますし、適切な判断だと思います。ある種の災害とは言いませんけれども、緊急的な対策としては、今回の措置は正しいと思います」
コメ価格の高騰を受けて、議論となっているのが「コメの適正価格」。そこで、参院静岡選挙区の候補予定者にも聞いてみました。
自民党 現職 牧野京夫氏:「コメ農家が再生産できる価格というのは、前渡しの価格で1俵(=60キロ)2万円を超えていないと、これは再生産できる黒字にはなりませんので、(店頭価格は)平均5キロあたり3000円台、それも3500円までが全国平均としたら適正な水準じゃないかなと思います」

国民民主党 現職 榛葉賀津也氏
国民民主党の現職、榛葉賀津也(しんば・かづや)さん(58)。党の看板の“手取りを増やす政策”を訴えたあと、こう切り出しました。
国民民主党 現職 榛葉賀津也氏:「おコメも高いね。5キロ2000円が、今5000円。で、これを何とか安くしようって、進次郎さんが備蓄米を出すって言ったね。これで下がればいいよ。下がんなかったらどうするんですかって言ったら、無制限に出しますって進次郎さん言ったね。無制限にないんだよ、どうするんですかって言ったら、ミニマムアクセス米を検討します。それ、外国産米だ。それを一番農家の皆さんは気にかけて、ここまで農業頑張って、日本の農政守ってきたわけでしょ。もう今、日本の農政が矛盾しちゃっているんですよ。進次郎さんのおコメが「郵政二の舞」ってコメで困るんだね。コシヒカリじゃなくて、七光りでも困るんだ。進次郎さん友達だから、これぐらいの洒落は許してくれると思う」
コメの適正価格について、榛葉さんにも聞きました。榛葉氏は「銘柄や地域によって異なる」とした上で…。
国民民主党現職榛葉賀津也氏(7日):「作付け単価が1.7倍くらいになっているとも言われているから、さすが石破総理は、農業の専門家だね。玉木が党首討論で「いくらですか?」って言ったら、パッと「3000円台」って言っていたけど、あながち間違ってない。しかし、3000円台前半でしょうね。当然消費者は10円でも5円でも安いおコメがいい。しかし、生産農家がしっかりと営農を続けられることも大事だと思う」
榛葉氏は備えの観点からは備蓄米をいつまでに戻せるかも重要との認識を示し、“小泉劇場”とも称される、今の状況についても釘を刺しました。
国民民主党 現職 榛葉賀津也氏:「小泉さんが若干農協を敵にして、構図を作って人気を博しているが、そもそもこういう局面にしてしまった農政の反省をまずどうするんだと」
Q.コメを増産するという政府の方針については?
A.「全く正しいね。絶対量が足りないんだよ。私はコメの生産量、そもそも足りないと思う。だからそれをしっかり考えていく」

共産党 新人 鈴木千佳氏
共産党の新人、鈴木千佳(すずき・ちか)さん(54)。党の顔としても知られた、穀田恵二元衆院議員と演説に立ちました。
共産党 穀田恵二元衆院議員:「備蓄米を出して、それ、5キロ2000円にしたというだけの話ですよ。減反減産という間違った農業政策、そして従事者を何十万も減らすという失敗、自民党農政と根本から闘う日本共産党を伸ばして、農業とコメを守ろうではありませんか」
鈴木氏はコメの増産を進め、自給率を50%に引き上げると訴えます。
共産党 新人 鈴木千佳氏(8日):「やはりこれまでの自民党農政の失敗が今の事態を招いている。ゆとりある備蓄を作って、増産していくと。生産者には所得補償と価格保障を政治の責任で行っていく、そういう農政に切り替えていく」
Q.コメ5キロあたりの適正価格はいくらぐらいが妥当?
A.「実は90年代にコメ不足の騒動が起こった時には、(生産者団体などが)直接農家と契約して、お米は1年間で契約するということで、その当時2300円とか2500円でやっていた。やっぱりそれくらいないと、農家の皆さんの暮らしはやっていけないと思っています」

参政党 新人 松下友樹氏
参政党の新人で、医師の松下友樹(まつした・ゆうき)さん(41)。食料自給率の上昇と、生産者の公務員化の推進を掲げていて、政府は「コメの減反を続けてきた」と批判します。
参政党 新人 松下友樹氏(8日):「農家がおコメをいっぱい買い叩かれていたわけですよ、時給10円とも言われるような。プライドだけで、日本のコメを守るという思いだけで、作ってくれていたんです。今のおコメの価格でもいいじゃないですか。私たちの所得を増やせばいいんですよ。生産量に波があっても、ちゃんと行政や国が買い取りますと、農家の所得補償をする。この当たり前の仕組みが必要なんじゃないんですか」
「生産者ファースト」という主張です。
参政党 新人 松下友樹氏:「仮に5キロ5000円はダメですか?ちょっと高いかもしれないですけど、農家が守られているというところがスタートだと思います」
Q.小泉農水大臣の対応について評価は?
A.「全然ダメですね。先日私たちが一番危惧していた「アメリカから輸入しましょう」と言い出しましたよね。絶対ダメですね。小泉さんを大臣にして、安いお米を出して、お米の価格が下落し、みんなの生活が楽になりましたよという、ニンジンをぶら下げたようなパターンは許せないので、こんなことを争点にしないでほしいです」

NHK党 新人 福原志瑠美氏
政治団体「NHK党」の新人で、会社経営者の福原志瑠美(ふくはら・しるび)さん(42)は、備蓄米の放出は「目先だけの対処療法」と批判し、コメ5キロの適正価格については、「2000円程度」との見解です。

無所属連合 新人 山口香苗氏
政治団体「無所属連合」の新人で、助産師の山口香苗(やまぐち・かなえ)さん(46)は、「今回の問題は予測できた」と対応の遅れを指摘し、コメの価格については、「生産者が決めるべきこと」と話しています。
