【静岡高校野球】大型スラッガーに捕手も粒揃い! 2025夏を彩る精鋭たち・野手編
一振りで試合を決める
プロのスカウトが注目するのが、身長187センチの大型スラッガー・石川大峨(掛川西)だ。夏を前に本塁打を量産中で、高校通算は19本に到達。左翼への一発に加え、逆方向にも鋭い打球を飛ばすのが特徴だ。

右打者の石川に対し、左打者で注目なのは橘木千空(常葉大菊川)。パンチ力だけでなく、ミート能力も兼ね備えた強打者で、確実性の高い打撃でチームを支える。同チームの児玉一琉も見逃せない存在だ。昨秋県大会初戦の静岡戦で2本塁打を放つと、今春の県大会初戦でも逆転満塁本塁打。一振りで試合を決める集中力を持つ。

今春の県予選では髙部陸(聖隷クリストファー)からサヨナラ本塁打を放った中村哉翔(浜松商)も注目株だ。中堅方向中心に強い打球を放つ。とにかくバットがよく振れる土屋綸と金原武嗣(ともに御殿場西)、粗削りながら、バットの芯を外しても外野フェンス近くまで運ぶ大木仁(星陵)、打席での雰囲気に魅了される重村昌也(浜松開誠館)の名前も挙がる。
捕手陣も粒ぞろい。松浦雄希(島田商)は二塁送球タイムが2秒を切り、低いライナー送球で相手走者を刺す。初戦で対戦する浜松開誠館の機動力をどう封じるか注目される。馬力のある石垣大輝(静岡)、投手が投げやすいように細かな気配りができる川島孝太(東海大静岡翔洋)も楽しみだ。2年生では春の大会で強肩強打を披露した後藤幸樹(沼津商)にも、この夏のブレークを期待したい。
プロも注目する好遊撃手たち
春から夏にかけてプロのスカウトの間でざわつく存在となった遊撃手が2人いる。大橋令和(オイスカ浜松国際)は、ずば抜けた身体能力の持ち主で、三遊間や二遊間の抜けそうな打球を軽やかにさばく。打席に立てば体のバネを生かしたスイングで出塁して俊足を飛ばす。もう1人は榑松智大(小笠)。丁寧に捕球して、そこからの肩の強さが際立つ。スナップスローをきかせて一塁へ矢のような送球。三遊間の打球をジャンプスローでさばく華やかさもあり、視察した複数のスカウトも「守備は面白い」と評価。打席に立てば、スイッチヒッターとして快音を響かせる。

全国区の守備力を持つ石𣘺咲人(静岡)も期待の遊撃手。捕る、投げるといった一連の動作が高水準なのはもちろん、打球を先読みしてポジショニングを変更できる野球勘も優れる逸材。打撃は軸のブレが少なく、力強さも出てきた。
※注目の投手編はこちらから https://look.satv.co.jp/content_column/hightschool_baseball/62457
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取材・文=栗山 司
くりやま・つかさ 1977年、静岡県生まれ。スポーツライター・編集者。雑誌『野球小僧』の編集者を経てフリーに。2012年に地元・静岡に根差した野球雑誌『静岡高校野球』を自費出版で立ち上げ、年2~3回発行。ブログ『静岡野球スカウティングレポート』(http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/
) でも県内の野球情報を発信する。
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