新ルールは「弾丸登山」「軽装登山」対策だが…Tシャツや革靴の人も 管理者「20年間変わらない」 富士山静岡県側

義務化された4000円の入山料。背景にあるのは、十分な休息を取らず一気に山頂を目指す「弾丸登山」や装備が不十分な「軽装登山」です。去年、富士山では59件の遭難が発生し、10人が死亡。こうした無謀な登山を防ぐ狙いがあるのです。
伊地アナ(富士宮口五合目):「事前に申請をして入山料4000円を支払った。登山者はこちらの受付でリストバンドを受け取ってから、山に入ります。これは山梨県側と静岡県側は同じなんですけれども、その入り口です。山梨県側ではここにレンジャーの方が立っていて、軽装登山の方は指導に従ってもらえない場合は入山を拒否することができます。しかし、静岡県側では警備員の方が立っていて、軽装登山の方に注意を促すことはできますが、入山を拒否することはできません」
軽装のアメリカ人「ユタは寒いから大丈夫」
この日も軽装に見える登山者が…
アメリカ(ユタ)から
伊地アナ:「きょうはどこまで行きますか? 山頂まで行きますか?」
男性:「頂上まで」
伊地アナ:「山頂はかなり寒いと思いますけど、こういうセパレートの雨具とか、防寒着は持っていらっしゃいますか?」
男性:「私たちの家族はそういうものは持ってきませんでしたけど、(住んでいる)ユタは寒いですから、多分大丈夫って思います。アリガトウ」

こちらの方はとても山登りするとは思えない服装ですが
奈良県20代男性
伊地アナ:「これから富士山に登るんですか?」
男性:「頂上までは行かないですけど」
伊地アナ:「どの辺まで?」
男性:「6,7合目ぐらいまでですかね」
伊地アナ:「失礼ながらちょっと登山する格好ではないので、なん大丈夫かなと思ったけど大丈夫?」
男性:「遠くへは行かないで、すぐそこで景色眺めて帰ってくるんで」
伊地アナ:「革靴ですよね」
男性:「そうですね」
伊地アナ:「結構石とかゴロゴロしてますけど、大丈夫そうですか?」
男性:「一応動きやすい革靴っていうのを使ってるんですけど、ちょっと不安ですよね」
すぐに戻ると言って男性は歩いていきました。
中澤朋子さん(富士宮口5合目スタッフ):「本年度はシーズンの開始が平日ということもあって、ちょっと登山客は少ないように感じました。また登録に関しては割といろいろな方がご存知で、きのうはですね、7割くらいの方が事前に登録を済ましていまして、現地で登録される方は3割程度でしたね」
伊地アナ:「何かアプリがうまくつながらないというか、
そういったこともあったようですね?」
中澤さん:「そうですね。どうしても山の天気というところ、山という場所、富士山という場所ですので、少し電波状況がですね、天気であったり、また、そうですね、充電の状況も含めたところでつながりづらくなってしまうということはあったようです」
電波が受かりにくい場合は、無料のwifiを利用することができるそうです

ベテランも事前講習
また登山客からは事前講習に関してこんな声も。
男性:「今までこういうシステムがなかったんで、登った実績も持ってるんで。カードもらえるんですよね。それ持ってるから(事前学習を)パスできるのかなと。登った実績持ってるよっていうことでパスできるかなと思ったんですけども」
伊地アナ:「できました?」
男性:「できませんでした」
伊地アナ:「じゃあ経験のある人もない人も等しく受けないといけないですね」
男性:「はい」
他にも毎年のように富士山に登るベテランでも、毎回事前講習を受けなければいけないのか、という声もでているということです。

ゴミ持ち帰り用の袋が
そして取材中こんなことが。
公衆トイレ管理者:「公衆トイレ5合目」
伊地アナ:「5合目の公衆トイレだけに、これだけゴミが」
公衆トイレ管理者:「きのう一日ね」
伊地アナ:「ちょっとこれ見るとね。この白い袋捨てない? 持ち帰ろうって書いてあって、これ、ここで配っている持ち帰りのためのゴミ袋が」
公衆トイレ管理者:「きのうの朝、そこで配った」
伊地アナ:「持ち帰ってねっていう袋なのに、捨てちゃってるんですか?」
公衆トイレ管理者:「同じだよね。20年間ずっと同じ」
新たな試みでシーズンを迎えた富士山。システムの改善やマナーの向上など今後課題を洗い出していく必要もありそうです。
