伊豆の風と魚介が交わる夏のイタリアン小径 清水町「マーレモッソ」
柿田川公園のほど近く、清水町八幡に構える「Trattoria Maremosso(トラットリア マーレモッソ)」。木の温もりを感じる店内で供されるのは、静岡の旬を紡ぐイタリア料理だ。店名の“マーレモッソ”とは、イタリア語で「荒波」を意味するという。この夏の目玉は「エビと小柱の冷製パスタ」。使用するのは、甘エビの頭を焼いてトマトと煮詰めた自家製アメリケーヌソース。素材の旨みを凝縮した濃厚なソースが、カッペリーニと呼ばれる極細パスタによく絡む。希望すれば自家製の平打ち生パスタにも変更可能で、もっちりした口当たりを楽しむこともできる。甘エビの芳醇な香りと小柱の旨みが一口ごとに押し寄せ、夏の疲れを癒してくれる一皿だ。

さらに季節感あふれる逸品が「内浦産自家製塩レモンと自家製パンチェッタのペペロンチーノ」。使用するレモンは、沼津・内浦産。塩漬けにして程よく熟成させ、カリカリに焼いた自家製パンチェッタと合わせる。レモンの爽やかな酸味、ハーブの香り、そして豚バラの深い旨みが渾然一体となり、思わずワインを欲する味に仕上がっている。

さらに、店主が釣り上げたアオリイカを使ったイカ墨のパスタも外せない。ワタリガニやムール貝といった海の恵みとともに煮込んだソースは、濃密かつ奥深い。まるで魚介のエキスをパスタに染み込ませたような一皿で、噛むほどに海の香りがふわりと広がる。

ランチの定番はブランド牛・伊豆牛を使ったハンバーグのプレート。赤身の甘さとすっきりした脂が特徴の伊豆牛。自家製デミグラスソースの芳醇なコクと伊豆牛の上品さが見事なまでにマリアージュ。肉汁は当然のこと、贅沢さまでもがあふれ出る。

店に息づくのは地産地消の精神。言い換えれば地元への愛だ。おいしいワケはここにある。

Trattoria Maremosso
清水町八幡221-1
TEL 055-957-9211
営 月・火・木~日 11:00~14:00 / 18:00~22:00
休 火曜の夜・水曜日
Pあり