派手さはないがまっすぐうまい町中華 静岡市「吟月」

静岡市葵区伝馬町、新静岡セノバから歩いて数分の場所に、地元に愛され続ける町中華がある。「中華飯店 吟月(ぎんげつ)」。カウンターのみの小さな店内。壁には所狭しと手書きのメニューが貼られ、昭和の匂いがどこか懐かしい。創業は1987年。現在の場所へは2000年に移転した。定番の人気はチャーハンとしょうゆラーメンがセットとなったBセット。驚くのがチャーハンのこだわりだ。使うのは一度冷凍し、解凍したごはん。米が水と油を吸い、パラッとしながらもしっとりするんだとか。具材は卵、チャーシュー、ナルト、シイタケ。なかでもシイタケの香りと食感が、シンプルな炒飯に奥行きを与えている。しょうゆラーメンは、細めの縮れ麺に、やさしいスープ。野菜の甘みがじんわり広がり、どこか懐かしい味わい。チャーシューの煮汁を炒飯に少し使っているため、セットで頼むと味が響き合う。

Bセット(750円)
Bセット(750円)

もうひとつの人気が「焼肉丼としょうゆラーメンのセット」。豚バラ肉に、ピーマン、タマネギ、ニンニク、豆板醤を加えて炒め、甘辛の濃いめダレで仕上げる。ごはんにたっぷりかけ、千切りキャベツを添えて完成。タレの染みた豚バラは柔らかく、白飯との相性は言わずもがなだ。

焼肉丼+しょうゆラーメン(800円)
焼肉丼+しょうゆラーメン(800円)

ボリューム感を求めるなら「レバニラ定食」も外せない。レバーは一度油通しし、ニラやモヤシとともに炒める。味つけは豆板醤、ニンニク、オイスターソースに塩こしょう。レバーのふわっとした食感と甘辛ダレが絶妙で、ビールにもごはんにも合う万能な一皿。

レバニラ定食(800円)
レバニラ定食(800円)

そして、リピーターの多くが注文するという「ギョーザ」。野菜をたっぷり、ニンニクも強めに効かせた餡を包み、水ではなく、なんとラーメンスープで蒸し上げる。表面はパリッと、なかはじゅわっとジューシー。一口ごとに香ばしさと旨味が広がる。

ギョーザ(400円)
ギョーザ(400円)

決して派手さはない。けれど、まっすぐに旨い。ラーメンも、炒飯も、ギョーザも。町中華の“変わらないこと”のありがたみを、ここでしみじみと噛みしめたくなる。

派手さはないがまっすぐうまい町中華 静岡市「吟月」

中華飯店 吟月
静岡市葵区伝馬町7‐8
TEL 054‐251‐7189
営 11:00~22:00
不定休
Pなし