スマートフォンのアプリで飲食店と消費者を結びフードロスを減らす試み 静岡・三島市

フードロスを減らそうと飲食店と消費者をアプリでつなげる試みが三島市で行われています。
堀優奈アナウンサー
「パンの良い香りに包まれています。こちらは50種類のパンを扱う地元でも評判のお店です。その日の天候を考慮してパンを製造しているといいます。それでも、売れ残りは避けられないそうです。」
三島市大社町にある「KoKaRaBakery」。
低糖質で食物繊維豊富なパンが人気の店です。
売れ残った菓子パンや総菜パンは品質などの観点から廃棄せざるを得なくなります。
KoKaRaBakery責任者 山田圭一朗さん
「自分たちで作ったものをゴミ袋に入れるのが1番心苦しいんですけれども…」
この日、商品も少なくなってきた午後5時ごろ、スマートフォンを手にしたお客さんが入ってきました。
「お待たせいたしました。こちらみしまタベスケの商品になります。」
「はーい、いただきます。はいどうも~」
女性が利用しているのは、「みしまタベスケ」という三島市が展開する「フードシェアリングアプリ」です。
このアプリには市内の米店や和菓子店、コーヒー店など39店が登録。
店側は売れ残りそうな商品を、定価より安くして出品します。
消費者は、アプリで購入予約をして店で安く買うことができます。
店側にとっても「売り上げアップ」と「食品ロス削減」につながるwin-winな試みです。
この店はパンの残り具合をみて、閉店3時間前の午後3時ごろから商品を出品します。
この日は、チーズブールやデニッシュなど4種類が入った「お得なパンセット」。
定価1200円の商品を半額の600円にしました。
三島市民70代
「『タベスケ』だとお安くしてもらえるから、も~うほんとに助かるの。」
三島市民40代
17:23:44~51
「賞味期限が近いってことでお得になるのはとても助かります。」
三島市民50代
「この物価高だから、安く手に入ればうれしいじゃないですか。で、おいしいし~」
去年10月に本格始動した「みしまタベスケ」。
三島市民でなくても登録でき、開始10カ月で利用者は約3800人になりました。

三島市がアプリを導入した背景には、ある深刻な問題が…
三島市廃棄物対策課 山添豊主査
「最終処分場が9割以上満杯の状態になっていまして、だからこそフードシェアリングによって、ゴミを減らしていきたいなと思っています。」
この10カ月間でおよそ2.7トンの食品がアプリを通して
販売されました。
三島市はこの分だけゴミの削減ができたと捉えています。
当初は試験的な運用だった「みしまタベスケ」も、今では市内のゴミ行政に欠かせない重要なピースになりました。
三島市廃棄物対策課 山添豊主査
「お店からもお客さんからもご好評いただいてますので、(みしまタベスケを)続けていけたらなと思います。」
この日、みしまタベスケに出品したパンはほとんどが売り切れました。
KoKaRaBakery責任者 山田圭一朗さん
「捨てられるはずだった品物がお客様においしく召し上がっていただける仕組みなので、とてもうれしく思っています。」
三島市民70代
「お安く手に入るのでね。いろんなお店のところに行っていろんなものを買ってる。だからね、ほんとにねタベスケ様様」
