静岡県6市町で突風・竜巻…あれから1週間、海岸にはごみの山 終わりが見えない復旧作業【台風15号】

県内外の自治体職員が現地入り

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 台風15号により県内各地を襲った竜巻や突風被害から12日で1週間。連日の暑さと先の見えない復旧に、被災地は…。

須藤誠アナウンサー(牧之原市細江 12日):「特に被害の大きかった牧之原市細江地区の上空です。ブルーシートの数を見てもわかるように、被害も過去最大クラスとなりました。広範囲にかけて竜巻が襲ってきたことがわかります。まだ処置が追い付いていない、そんな建物も多くあるようです」

 台風15号が県内に大きな被害をもたらしたのは5日金曜日。

提供:静波のオヤジ(牧之原市/5日午後1時ごろ):「竜巻、やべえ、おい」「やばいやばい(何か飛んでくる音)」

 台風15号による影響で、牧之原市から吉田町を襲った国内最大級の竜巻。気象庁によりますと、風速は75メートルと推定されていて、この規模の竜巻が観測されるのは県内でも初めてのことです。

静岡県6市町で突風・竜巻…あれから1週間、海岸にはごみの山 終わりが見えない復旧作業【台風15号】

海岸には大量のごみ

 一時、大規模な停電が起きていた牧之原市。

 停電から復旧した細江地区では少しずつ電気も使えるようになってきています。

坂井剣一郎記者(牧之原市 9日):「静波海岸の災害ゴミ置き場です。この場所は土日の2日間にわたってごみを受け入れたということですが、海岸線に沿って300メートルほどでしょうか、大量のごみがずらっと並んでいます」

 牧之原市では、1100棟以上の住宅に被害がでていて、静波海岸に設けられた災害ゴミ置き場はすでに満杯に。そこで市では8日、東名高速道路・相良牧之原インターチェンジの近くに新たな災害ゴミの仮置き場を設置しました。

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鈴木知事「住宅被害が想定以上」

 吉田町、牧之原市の被災現場を視察し、実際に竜巻の猛威を目の当たりにした鈴木康友知事は…

静岡県 鈴木康友知事:「住宅の被害が私たちが想定した以上に大きかったと感じた。これから住宅再建が中心になってくると思うが、まずは被害状況をしっかりと調査して人的な支援がまず必要」

 生活再建の支援について国と調整を進めるとともに、必要に応じて9月補正予算案に追加計上する方針を示しました。

静岡県6市町で突風・竜巻…あれから1週間、海岸にはごみの山 終わりが見えない復旧作業【台風15号】

 10日に農林水産省を訪れたのは、牧之原市の杉本基久雄市長。

静岡・牧之原市 杉本基久雄市長:「日本最大級ということで、かつてこれだけの竜巻被害はなかった」

 今回の竜巻被害を激甚災害に指定し、農業用施設の復旧支援を求める要望書を手渡しました。また、農業用ハウスの損壊が320棟以上で、被害額が11億円あまりという被害状況を説明しました。

小泉進次郎農水大臣:「皆さんから聞いたことを総理に直接伝える。農水省としてはハウスそして防霜ファン
何ができるのか皆さんと共に知恵を出しながら臨んでいきたい」

 そして石破総理は…

石破総理:「静岡の竜巻、これも一連の災害として指定するように、ということで検討を進めているところです」

 今回の竜巻について激甚災害に指定する方向で検討していることを明らかにしました。竜巻や突風被害からきのうで1週間、被災地では…

終わりが見えない復旧作業

進士陸斗記者(牧之原市 12日):「牧之原市の竜巻被害からきょうで1週間が経ちます。電気などの復旧は進んでいますが、日々家の復旧作業に追われている住民の表情からは疲労の色がうかがえます」

 大きな被害となった牧之原市の細江地区。

 連日の厳しい暑さの中での復旧作業で、体力はもちろん、精神的にも疲労がたまってきています。

被災した住民:「やっぱり結構きつい。なるべく体は休めて、気持ちはあまり深刻に考えると辛くなる一方なので、今は片付けに専念したい」

被災した住民:「(作業を)継続しているだけで、何かが終わるような気持ちはない。ただ復興できるように祈る。ボランティアで働いてくれる人たちもいるので、それがね…、(涙ぐみながら)ありがたい」

静岡県6市町で突風・竜巻…あれから1週間、海岸にはごみの山 終わりが見えない復旧作業【台風15号】

 終わりの見えない復旧作業。牧之原市も、今後の市民の健康を注視しています。

牧之原市 杉本基久雄市長(12日):「がれきの搬出一つとっても、出しても、出してもなくならない。1日でも早くゆっくり体が休められる、そういう環境を整えたい」

静岡県6市町で突風・竜巻…あれから1週間、海岸にはごみの山 終わりが見えない復旧作業【台風15号】

進士陸斗記者(牧之原市 12日):「牧之原市の職員による被害認定調査が始まりました。調査員ら6人が写真を撮るなどして被害の状況を確認しています」

 12日から牧之原市では、罹災証明書を発行するための被害認定調査がはじまりました。

進士陸斗記者:「市の職員などがタブレットや資料を確認しながら現場の被害状況を確認しています」

 屋外の調査に加え、室内の被害状況の確認が行われました。

調査員:「一軒一軒慎重に被害にあわれたお宅のことを思って調査をさせていただきたい」

 調査は牧之原市の職員ら30人体制で行われ、1カ月ほどでの終了を目指しています。

静岡県6市町で突風・竜巻…あれから1週間、海岸にはごみの山 終わりが見えない復旧作業【台風15号】

 県内の広い範囲で被害をもたらした台風15号。気象庁は12日、新たに菊川市でも竜巻とみられる突風が発生していたと発表しました。これで突風の確認は5市1町に上っています。