静岡県内竜巻被害からあすで1週間 「漏電火災が怖くて電気を入れられない」 焼津市ではいちご農園に被害

国内最大級の竜巻被害からあすで1週間。静岡県牧之原市では、雨の影響で復旧作業が難航したほか、焼津市でも竜巻による大きな被害が出ています。
被災者
「ブルーシートに水がたまっちゃって・・・」
10日は不安な一夜となりました。
坂井剣一郎記者
「発災から6日が経ちました。被害の大きかったこの地区では、きのうの夜電線が通り電気が復旧したお宅が多いということですが、特に被害の大きかったお宅ではまだまだ漏電の可能性があり復旧に時間がかかるということです。」
一時、大規模な停電が起きていた牧之原市。
まだ電気を使えない家もあります。
被災者
「全部ブレーカー落としてあって、電気が戻ってきたとしても、漏電火災があったり、家がめちゃくちゃなので、家が燃えちゃうと心配なので、電気を入れられない。」
今必要としているのは「マンパワー」です。
被災者
「人手がほんとに欲しいです。瓦礫を除去できないし、素人なので怪我が怖いので人手と重機が欲しいです。」
台風15号により、静岡県内各地で発生した突風被害。
気象庁はきのう、焼津市と伊東市でも竜巻とみられる突風が
発生していたと発表しました。
焼津市の風速は65メートルと推定されています。
古賀りなアナウンサー
「こちらのビニールハウスは鉄骨がぐにゃりと曲がって原型をとどめていません。突風の威力を物語っています。」
地域最大級の栽培面積を誇る、いちご農園も被害に遭いました。
加藤いちご農園 加藤光輝代表
「当時はビニールハウスの中にいて、なんの前触れもなくものすごく大きな「ドン」という音がしたと思ったら、もう下敷きになっていたという」
当時を振り返る加藤さん。
ビニールハウスの下敷きになり、顔を骨折しました。
加藤いちご農園 加藤光輝代表
「このハウスがうちで一番新しいハウスで、令和元年に建てたハウスがちょうどやられてしまって、中にあった苗は当然ダメですし」
所有するビニールハウス6棟も、4つが損壊。
内2つは全壊しているといい、手塩に掛けて育ててきた、いちごの苗もすべてダメになりました。
最低でも3000万円に上るという損額額は、今後、壊れたビニールハウスの撤去費用も加わるため、保険でも賄えない金額になるそうです。
加藤いちご農園 加藤光輝代表
「苦労して色々とやってきたので、毎日作業していたハウスが一瞬でこういう姿になったというと、金銭的な問題もあるがメンタルのダメージの方が大きいかな」

想像を超える突風の威力。
焼津市では被害が局所的なのも特徴の1つです。
古賀りなアナウンサー
「横のビニールハウスを見ると、ビニール自体はかなりはがれているが、骨組みはかなりしっかりしている」
加藤光輝代表
「そうなんです。鉄骨の強度でいったら、全壊している作業小屋の方が全然強い骨組みを使っていた。奥の骨組みが残っているのは古いハウスで、骨組みの強度も弱かったが、多分位置的な関係でちょっとずれてこうなった」
さらに。
加藤いちご農園 加藤光輝代表
「この半分よりこっち側はビニール飛んでるんですが、半分よりこっち側は無事ですし、奥にもビニールハウスが一つあるが、あっちは全くの無事」
同じ敷地内にあった被害のないビニールハウス。
突風の通り道になっていたかどうかが、大きな分かれ道だったようです。

隣接する焼津市の下小杉でも、ブルーシートで応急処置を施している多くの住宅がありました。
古賀りなアナウンサー
「所有者の方に特別に許可をいただいて敷地内に入ります。色々なものが散らばって、いる状態です。こちらは屋根でしょうか、板のようなものが積み上げられています。奥の方でもどこから飛んできたが分からない、木や瓦が散らばっている。その奥、筒のようなものがあるが危険です。裏に回ってくださいと書かれています。」
突風が直撃したというこちらの民家。
敷地全体に大きな爪痕が残されていました。
古賀りなアナウンサー
「突風が吹いた際にご主人が寝ていたという和室です。窓ガラスが割れる大きな音で目を覚ましたところ天井が外れてそらが見えていたといいます。慌てて別の部屋に避難して難は逃れたということですが、当時の状況のまま今も部屋は残されています」
散乱したガラスにめくれ上がった天井。
住人は、被害を免れた一角で生活しているといいますが、母屋は到底、人が住める状態ではありません。
発災からあすで一週間。
被災地の暮らしは、今も厳しい現実と向き合っています。
