交付金100億円減の責任は…新県立図書館問題で教育長「個人でなく組織体制に問題がある」 静岡県

静岡県 池上重弘教育長:「今回の事態は確実に財源を確保するための確認や丁寧な事務執行ができなかった組織体制に責任があったと考えている」
計画の見直しが決まった新県立中央図書館をめぐり、議会閉会中も議論を続けてきた委員会が17日、再び開かれ、池上重弘教育長が説明に立ちました。委員会はこれまでに池上教育長へ問題が起きた原因の調査と再発防止策を求める要望書を提出。これに対し池上教育長は、調査結果をまとめ、責任の所在を明らかにした上で、必要な対策を検討するとしていました。
調査の結果、▼事業を進めるにあたっての確認不足、経験不足や、▼他部局や関係機関との連携不足、▼交付金獲得のための積極的な活動の不足など4つの原因があると分析。個人ではなく組織体制に問題があり、責任は教育委員会幹部と新図書館整備課職員にあると結論付けました。再発防止に向けては交付金・補助金を申請する際のマニュアルを整備するなどとしています。
また、池上教育長は自ら責任を取って給与を自主返納する考えを示しました。
静岡県 池上重弘教育長:「給与の10%を3カ月分、25万6200円を返納させていただこうと考えている」
委員からは、報告書に一定の評価が示された一方で、議会へ報告の徹底を求める声や、設計費などで無駄になるおよそ9億円について報告書に明記すべきとの声が上がりました。報告書については県民にも公開されます。
静岡県 池上重弘教育長:「マニュアルは教育委員会だけのものではなくて、県全体として財務部がしっかりと作っていく形で共有していく」
一方、この問題について知事は「部局間の情報共有や連携を強化し、全庁挙げて再発防止に努める」としています。図書館の整備については、塚本副知事をトップとするプロジェクトチームで検討を進める方針です。