港町のソウルフード じわりと汗誘うシビ辛中華 静岡市「麻辣亭」

清水の港町に、じわりと汗を誘うシビ辛中華がある。静岡市清水区港南町の「麻辣亭(まーらーてい)」だ。オープンは2016年。店を切り盛りするのは、中華一筋50年の長井𠮷宏さん。自身の「辛いもの好き」が高じて、山椒を効かせた町中華を立ち上げた。今では清水の新しいソウルフードを求め、地元客でにぎわっている。この時季にぜひ試したいのが「冷やし麻辣茄子ラーメン」。茄子とひき肉を具材に、山椒を効かせた麻婆茄子を冷やし仕立てにした一杯だ。素揚げした茄子は、皮目の香ばしさとシャキッとした歯ごたえが残り、冷たい麺と好相性。麺は極細卵麺か全粒粉入りの中細麺から選べる。とろみをつけた醤油ベースのスープは、自家製ラー油と山椒が効き、舌を心地よく痺れさせる。酸味に頼らず、清涼感とキレを持たせた冷やし麺は、暑さに疲れた体を目覚めさせてくれる。

冷やし麻辣茄子ラーメン(900円)※夏季限定
冷やし麻辣茄子ラーメン(900円)※夏季限定

定番人気の「担々麺」も見逃せない。鶏ガラやゲンコツ、豚足、親鳥などを5時間かけて煮込んだスープがベース。ここに黒ゴマの濃厚な香りと自家製ラー油、一味唐辛子が重なり、コクのある甘辛テイストを生み出している。麺にまとわりつく濃厚なスープをすすれば、口いっぱいに香ばしさと辛みが広がる。ゴマをたっぷり使ったスープは、食後の余韻も長い。

担々麺・黒(900円)
担々麺・黒(900円)

がっつりご飯を求める人には「焼肉丼」がいい。豚バラ肉を、ニンニクを利かせた醤油ダレで香ばしく焼き上げた丼は、箸が止まらない一杯。濃いめのタレが染みた白米が、空腹を心地よく満たしてくれる。

焼肉丼(700円)
焼肉丼(700円)

一方で、お酒の席にぴったりなのが「エビマヨ」。バナメイエビをカラリと揚げ、クリーミーなマヨネーズソースで絡めたひと皿は、ぷりっとした食感と濃厚なコクのバランスが絶妙で店主の長井さんがイチオシする理由もよく分かる。食事の主役としても、ビールの相棒としても成立する。

エビマヨ(850円)
エビマヨ(850円)

長井さんは「孫がコックを目指しているので、いつか店を継いでくれたら」と笑う。50年を超える経験に裏打ちされた技は、日々の一杯に惜しみなく注がれている。痺れる辛さに心地よく汗を流し、清水の空気とともに楽しみたい。

港町のソウルフード じわりと汗誘うシビ辛中華 静岡市「麻辣亭」

麻辣亭
静岡市清水区港南町1-8
電話番号:054-374-2466
定休日:日曜・祝日・第2月曜日
営業時間:11:30-14:00/17:00-21:00
Pあり