A5ランク雌牛の旨みを白飯とともに 静岡市「中込精肉店」
静岡市葵区千代田に佇む「中込精肉店」の真骨頂は、何よりもまず“肉の選び方”にある。店が厳選するのはA5ランクの黒毛和牛、そのなかでも雌牛を扱うというこだわりだ。脂の融点が低く、くどさを残さない旨みと深み。噛んだ瞬間に広がるジューシーさ。その三拍子が、ここでは当たり前のように提供される。看板といえるのは、店主・中込孝晴さんががその日いちばんの部位を選んで組む「おまかせの一皿」。必ずヒレとサーロインを含め、今日はトモサンカクを加える──そう語る店主の所作は、肉を知り尽くした者の自信に満ちている。添えられるのは有東木産のワサビ。箸で裂けるほどだというヒレにワサビをのせて食せば、旨さが際立つ。ワサビの清涼感も心地よい。
ランチでは一頭買いの利を活かした“端材”を用いたお得な皿が並ぶ。端材とは思えないしっかりとした肉をリーズナブルに楽しめるなんて素敵すぎる。
肩ロースの一部、ザブトンを薄く切り、にんにく卵黄醤油でさらりと食べる「オンザライス」は、白飯との相性があまりに鮮やかで、ごはんをかきこむ手が止まらない。
日替わりのホルモンセットは特製の辛味噌で和えられ、アゴスジなど珍しい部位の歯ごたえがアクセントとなる。
目利きが選んだ雌牛の旨みを、昼の一膳でじっくり味わう──そんな贅沢を静岡の街角で叶えてくれる一軒が、「中込精肉店」だ。
中込精肉店
静岡県静岡市葵区千代田2-2-35
電話番号:054-246-5929
定休日:火曜日
営業時間:11:30~14:00 L.O.13:30
17:00~21:00 L.O.20:30
Pあり

