本場讃岐で出会った感動を一杯に表現 「野の香」のうどんに本気を見た 浜松市

 浜松市浜名区平口。扉を開けると、湯気に包まれた小麦の香りがふわりと漂う。「さぬきうどん 野の香」は、2010年の創業以来、讃岐うどんの本場・香川で学んだ味を静岡に届けてきた。もともとは異業種だった店主の小楠智彦さんが香川を訪れ、本場のうどんに感動したことがすべての始まりだという。
 「自分が感じたあの感動を、地元の浜松に伝えたい」-。その想いを胸に香川で2年弱修業。年間1000玉以上のうどんを食べ歩き、小麦粉50種類を試した末にたどり着いたのが、愛知県産「きぬあかり」。もちもちで弾力がありながら、つるりとしたのど越しが特徴だ。
 麺は太めで、讃岐うどんらしい力強いコシを持つ。茹で時間は約30分。熱湯の中でゆらめく麺を対流させながら、芯まで火を通していく。茹でたてをすぐに出すのが「野の香」流だ。水で締めればキリッと、釜から直接取ればふんわり。温冷どちらにも個性が光る。
 人気のセットは、天ぷら3種と5種類のうどんを組み合わせるスタイル。中でも定番の「ちく玉天」は外せない。香川から仕入れるちくわをカラリと揚げ、半熟卵の天ぷらは箸を入れた瞬間、とろりと黄身があふれる。揚げ油はキャノーラ油。軽やかな口当たりで、うどんの風味を引き立てる。

ちく玉天・しょうゆ(1300円)
ちく玉天・しょうゆ(1300円)

オリジナルブレンドのしょうゆをたらり
オリジナルブレンドのしょうゆをたらり

 かけうどんには香川県・伊吹島のイリコを使っただし。宗田カツオやサバ節を合わせ、静岡の人にもなじみやすいまろやかな味に仕上げている。とり天をのせれば、だしに旨味がしみ込み、さらに深みのある味わいに。ジューシーで柔らかな鶏肉は、熱々のうどんと抜群の相性だ。

とり天・かけ(1300円)
とり天・かけ(1300円)

 昼5食限定の「カレーうどん」はトマトが隠し味。洋風のまろやかさがあり、スパイスの香りが広がる。大きな油揚げをのせた「きつねうどん」も人気の一品だ。

カレーうどん(1070円)※昼5食限定
カレーうどん(1070円)※昼5食限定

きつねうどんも5食限定だ
きつねうどんも5食限定だ

 店の梁には、香川の古民家で使われていた木材が再利用されている。木の温もりと共に、本場の空気が漂う店内。香川の風土と、浜松の人情。その両方を感じられる一杯が、ここ「野の香」にはある。

本場讃岐で出会った感動を一杯に表現 「野の香」のうどんに本気を見た 浜松市

さぬきうどん 野の香
浜松市浜名区平口222-1
電話番号:053-545-9997
定休日:なし
営業時間:11:00-14:30 L.O./17:30-20:00 L.O.※夜は土日のみ営業
Pあり