8時間煮込みの「鶏白湯」と「清湯」。一杯のバランスに賭けるラーメン愛 静岡市「あとれ」
静岡市葵区上土に、2025年の5月に暖簾を掲げた「麺屋あとれ」 。焼津の名店「麺屋 花城」での修行を経て 、キッチンカーでの3年の営業経験を携え 、満を持しての店舗オープンだ。こちらの店主は、障がいを持つ方の就労支援にも力を入れており 、その真摯な姿勢がまた、一杯のラーメンの味わいに奥行きを与える。
まず食すべきは、店の顔ともいえる「鶏白湯 半チャーハン付き」 。鶏ガラを8時間以上 、強火ではなく弱火で圧力をかけながらじっくりと煮込んだ 、手間暇かけたスープが土台となる。濃厚ながらも「くどくならないように、さっぱりと」を追求した 、まろやかでクリーミーな仕上がりだ 。
塩ダレは数種類の塩と乾物系をブレンドし、数日間かけて仕込むという周到さ 。さらにブレンダーを使って混ぜ合わせることで 、角が取れたような、よりクリーミーな口当たりを実現している 。これに合わせるのは、手もみした中太ちぢれ麺 。モチモチとした食感に、濃厚なスープがしっかりと絡みつく 。豚肩ロースの炙りチャーシューは食べ応え満点だ 。そして、セットの「半チャーハン」も、お茶碗一杯分ほどのボリュームがあり 、一切手抜きなしの満足感である 。
また、懐かしい味わいを求めるなら「中華そば」(セットで900円)がおすすめだ 。こちらは、白湯とは対照的に、濁らないよう弱火でコトコト8時間以上煮込んだ 、清湯(ちんたん)ベースのスープ 。昔ながらの中華そばの「懐かしい味」を目指したという一杯には 、つるつるとしたのどごしが心地よいストレートの細麺を使用している 。
冬の限定メニューも見逃せない。中華そばをベースとした「あんかけラーメン」は、キクラゲ、白菜、ニンジン、豚肉など、野菜がたっぷりと入った具だくさんのあんが特徴 。オイスターソースなども加えてコクが増したあんは 、麺によく絡み、寒さを忘れさせてくれる温かな一杯だ 。
そして、異なる味噌をブレンドし 、背脂を加えた「味噌らーめん」も限定で登場 。味噌のうまみと芳醇な香りが口いっぱいに広がる、これもまた寒い季節に嬉しい一杯となっている 。
週末はキッチンカーでも出没するという 、「麺屋あとれ」。技術が詰まった一杯をぜひ体感してほしい。
麺屋あとれ
静岡市葵区上土2-16-47
電話番号:054-295-4101
定休日:日曜・祝日
第1・3・5土曜日
営業時間:11:00-14:00
Pあり

