中部電力の副社長執行役員と執行役員の男性が辞任 浜岡原発の安全性向上対策工事で契約変更や清算手続きを怠る

 中部電力は浜岡原発の工事に伴い、副社長執行役員と執行役員の男性が、手続きを怠り未払いを発生させたことを受けて辞任すると発表しました。

 11月30日付けで辞任するのは、副社長執行役員・原子力本部長の男性(64)と執行役員・原子力部長の男性(57)です。

 中部電力によりますと、2人は原発の再稼働に向けた安全対策を担う部門に勤務。2011年から実施している浜岡原発の安全性向上対策工事の一部で、本来社内のルールに基づき行うべき契約変更や清算手続きを怠り、取引先への清算をしていなかったということです。

 取引先から契約部門への報告で未払いが発覚したといい、2013年2月から2019年5月にわたり、全体の1%程度にあたる20件で不備が見つかりました。

 動機は調査中としているものの、2人はこれらの不備について取締役会などへの報告も怠っていて、「報告をすることで(原子力規制委員会による)新規制基準の適合性審査に影響が出ると思った」などと話しているということです。

 中部電力は、未払い分の金額が明らかになり次第、取引先に支払う方針です。

 また、工事については「いずれも適切に施工管理されていて、浜岡原発の安全性に影響は無い」としています。

 中部電力は一連の事案について社内調査を実施。処分を検討していたところ2人から辞任の申し出があったということです。

 これを受け12月1日から原子力本部の副本部長に宮本文武氏が就任。新たに設置されたコンプライアンス・リスク管理担当として、ガバナンスの強化を図ります。

 また、原子力本部長に豊田哲也氏が、原子力部長に大塚温久氏が就任します。

 中部電力は「新たな執行体制のもと、浜岡原子力発電所の早期再稼働に向け、 内部統制システム・ガバナンスを適切に機能させ、皆さまから信頼される原子力事業の運営に努める」とコメントしています。

中部電力本社
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