〝ある一日〟を支える老舗洋食 静岡市「アンジュール」 

 静岡市葵区人宿町を歩いていると、不意に現れる洋食の灯りが。「レストラン UN JOUR(アンジュール)」。1996年から変わらず火を入れ続けてきた洋食店だ。名前はフランス語で“ある一日”。食事の時間が、その一日をやさしく支える存在でありたい。そんな思いが、店名に込められている。
 開店当初から火を入れ続けてきたロールキャベツには、この店の洋食観がそのまま詰まっている。キャベツで包んだ肉だねは、箸で切れるほどまでじっくり煮込まれる。仕上げにかけるのは、自家製のブラウンソース。牛スジ、香味野菜、香辛料、赤ワインを使い、約1週間かけて引き出したコクが、静かに広がる。

ロールキャベツ(1430円)
ロールキャベツ(1430円)

 煮込みハンバーグは、ココットの中でソースと一体となっている。牛7・豚3の合い挽きに、和牛「静岡そだち」を使ったビーフシチューを合わせ、ココットで火を通す。肉汁を抱えたハンバーグに、甘さを抑えたコク深いブラウンソース。重たさはなく、最後までスプーンが止まらない。

煮込みハンバーグ(1980円)
煮込みハンバーグ(1980円)

 同じく煮込みで存在感を放つのが、チキンのクリーム煮。ソテーした鶏モモ肉を白ワインと生クリームで軽く煮上げる。火を入れすぎないことで、弾力とジューシーさを両立。まろやかだが、後味は驚くほどすっきりしている。

チキンのクリーム煮(1880円)
チキンのクリーム煮(1880円)

 冬限定のランチで根強い支持を集めるのが、ボルシチのセット。断面が赤い根菜、ビーツを使い、牛肉、キャベツ、トマトとともに煮込む。ほのかな酸味とやさしい甘み。添えられたサワークリームが、味に奥行きを加える。残ったスープをパンでぬぐう時間も、この料理の一部だ。

ボルシチセット(2090円)
ボルシチセット(2090円)

 火加減と入れる順番。煮すぎず、足りなさも残さない。30年積み重ねた感覚が、どの皿にも自然に息づいている。

〝ある一日〟を支える老舗洋食 静岡市「アンジュール」 

レストラン UN JOUR
静岡市葵区人宿町1-5-7
電話番号:054-254-0595
定休日:月曜日
営業時間:12:00-14:00 L.O.13:30
18:00-22:00 L.O.21:00
Pなし

  • 静岡県版イベント系サブスクリプションサービス「しずGo!」