河津桜より早い「日本一早咲きの桜」を売り出せ! 静岡・土肥温泉のモニターツアー

静岡県伊豆市の土肥温泉は、歴史的な背景と豊かな自然環境、そして多様な泉質をもつ温泉地です。その土肥温泉が新たな目玉として売り出そうとしているのが「土肥桜」です。土肥桜を売り出す新たなツアーを開発しようと、観光協会が実施したモニターツアーに参加しました。(取材・文=三浦徹)

伊豆半島の桜といって、多くの人がまず思い浮かべるのは「河津桜」でしょう。「土肥桜」は「河津桜」とどう違うのでしょうか?

●伊豆市観光協会土肥支部 山田伸次事務局長:
「一番の特徴は早咲きという点で、『日本でもっとも早咲きの桜』とうたっています。例年ですと12月の下旬に開花して、1月の下旬が見ごろです。河津桜より1か月ほど早く、見ごろを迎えます。桜の色合いが濃いピンク色なのも特徴です」

土肥温泉では2月11日まで「土肥桜まつり」が行われました。その桜まつりに合わせて行われたのが「土肥桜モニターツアー」です。

早咲きの「土肥桜」
早咲きの「土肥桜」

モニターツアーは観光庁の「地域観光魅力向上事業」の一環として、伊豆市観光協会土肥支部が実施したものです。定員10人の今回のモニターツアーはメディアを対象にしたもので、記者も参加しました。今回のツアーを企画した目的は?

●伊豆市観光協会土肥支部 山田伸次事務局長:
「一番は土肥桜をみなさんに知っていただきたいということです。土肥温泉に500本ほど植栽されている土肥桜を見ながら、宿泊していただく。それが今回のツアーの一番の目的です。私たちは土肥桜を取り入れたツアーをいままで企画したことがなかったので、今回をきっかけに日帰り、もしくは宿泊のツアーを企画してPRしていきたい」

ツアーには10人が参加
ツアーには10人が参加

ツアーの集合場所は松原公園。ここでは早くも満開の土肥桜を見ることができます。一行は歩いて、中浜天王神社へ。こちらでは土肥桜限定の御朱印をいただきました。

土肥桜限定の御朱印
土肥桜限定の御朱印

続いて一行は10分ほど歩いて、歴史の重みを感じる土肥神社へ。樹齢1000年以上、幹回り11mを誇る大きなクスノキがみんなをお出迎え。ここでの目玉は「お守り」の制作。願い事を書いてお守りに入れ、本殿にて祈祷してもらいます。これで世界に一つの自分だけのお守りができあがりました。

土肥神社の樹齢1000年以上のクスノキ
土肥神社の樹齢1000年以上のクスノキ

そして一行は「テラッセ オレンジ トイ」へ。日本初という防災と観光の機能を兼ね備えた全国初の津波避難複合施設です。

全国初の津波避難複合施設「テラッセ オレンジ トイ」
全国初の津波避難複合施設「テラッセ オレンジ トイ」

●伊豆市観光協会土肥支部 山田伸次事務局長:
「2024年6月に完成した避難タワーを兼ねた商業施設です。1階が地場産品の直売所とカフェ、2階が吹き抜けのフロアで3階が食事処になっています。4階と5階は普段は展望デッキとして利用いただけますが、有事の際は避難するスペースになります」

「避難時の目安に」階段に海抜が書かれているのが特徴
「避難時の目安に」階段に海抜が書かれているのが特徴

ツアーはこちらの3階のレストランで、特別ディナーをいただきます。

いただくのは地元の食材をつかった「桜御前」。駿河湾でとれたアオリイカや、イセエビのお刺身、伊豆牛などを味わいます。デザートは地元産のところてん。(そのあとプリンなども出ました)。特別ディナーというだけあって大満足のコースでした。しかし通常、観光地では、ディナーはホテル、旅館で食べるというイメージがありますが?

●伊豆市観光協会土肥支部 山田伸次事務局長:
「食事は別のところでとって、旅館やホテルに宿泊するという『泊食分離』が注目されています。旅館も人材不足や高齢化の影響で、食事の提供が難しいケースもあります。今回こちらで料理を提供することによって、食事と宿泊を分けて楽しんでいただくようなツアーも提案したい」

地元の伊豆牛を堪能
地元の伊豆牛を堪能

このあと、近くの「土肥金山」のライトアップされた桜を見て初日は終了です。

「土肥金山」では桜がライトアップ
「土肥金山」では桜がライトアップ

次の日は、前日に夜桜を見た金のテーマパーク「土肥金山」の内部を観光。金坑を歩いてめぐったあと、「黄金館」へ。土肥金山の歴史や金の価値を分かりやすく紹介した資料館です。

「土肥金山」の中はひんやりしている
「土肥金山」の中はひんやりしている

以前は、館内に250㎏の金塊が展示され話題になりました。当初4億円だった金塊は、金の価格の上昇とともに2025年には44億円に。セキュリティの問題から現在は展示を終了し、レプリカが展示されています。(もともとレンタルだったので返却したそうです)

そしてツアーはスタート地点だった松原公園で解散。桜尽くしの2日間でした。

以前は館内に250キロの金塊が展示されていた
以前は館内に250キロの金塊が展示されていた

●伊豆市観光協会土肥支部 山田伸次事務局長:
「今回のツアーの良いところ、悪いところを皆さんから意見を集約して、半年くらい煮詰めて、2026年の秋にはツアーを企画し、2027年の桜祭りに向けた集客を考えていきたい。土肥桜は河津桜より1カ月ほど早く開花が進むので、1月に土肥桜、2月、3月に河津桜、4月にソメイヨシノ。そのようなかたちでバトンタッチしながら、伊豆半島全体で盛り上がっていければいいと思います」

伊豆市観光協会土肥支部 山田伸次事務局長
伊豆市観光協会土肥支部 山田伸次事務局長