静岡市の店頭で無料配布されている謎の紙管の正体は? あなたはどう使う?
静岡駅から東におよそ500mの静岡市駿河区八幡地区。久能街道を歩いていると、ある店先に「ご自由にお持ちください」の貼り紙が。そこに置かれていたのが円柱状の紙管。これはいったい何に使うものなのでしょうか?(取材・文=三浦徹)
このお店は静岡市駿河区八幡にある「汐彦」。江戸時代の塩づくりをルーツに、平釜塩を製造している静岡市駿河区の「あらしお」の直営販売店です。このお店も明治時代からこの場所にあり、今年で創業120年を迎えました。
店内にはさまざまなサイズの平釜塩「あらしお」(登録商標)のほか、やきとりの缶詰など、地元メーカーとのコラボ商品も並んでいます。一見すると、問屋のような店構えで、入るのを躊躇する人もいるそうですが、普通の小売店です。
紙管は直径約10cm(紙の厚さは1㎝)、高さ約15㎝の円柱状(さらに大きいサイズもあり)。何に使うものなのでしょうか?
●あらしお食品 マーケティングチーム 川崎さん:
「塩の袋を巻いてあるラップの芯のようなものです。塩を入れる袋は破れるといけないので、かなり頑丈に作られています。その袋を支える芯なのでかなり頑丈な紙管です」
ロールになっている塩の袋を見せてもらうと、小さなタイヤくらいのロールの中心におよそ1センチほどの厚さの頑丈な紙管が。これが店頭で配られている物の正体でした。どうして紙管を店頭で配っているのでしょうか?
●あらしお食品 マーケティングチーム 中野さん:
「工場にあっても使い道がなく、捨てるしかありません。処分にはお金もかかります。それならばSDGsの一環として、欲しいという方に再利用していただこうということになりました」
店頭での配布を始めたのは10年以上前。もともとは産業廃棄物として処分していましたが、「丈夫だし、きれいだしもったいない」とあらしおの役員が自分で棚などに使い始めたのが発端。ホームセンターで紙管が販売されているのを偶然見かけ、その役員が「欲しい人がいるなら、配布しよう」と思ったことが配布のきっかけだそうです。
紙管は店頭に置かれているものがなくなると、工場から1回あたり、およそ30本くらいが補充されるということです。通常は1週間に1回程度補充されるということですが、中には1度に20本ほど持っていく猛者もいて、あっという間になくなることも。20本も何に使うのでしょうか?
「無料なら」とつい手に取ってしまう紙管。でも実際に使おうとすると、意外に難しい。真っ先に思いつく「ペン立て」にすると、高さがあって使い勝手がよくありません。みなさん何に使っているのしょうか?
●あらしお食品 マーケティングチーム 川崎さん:
「ペン立てや、造花用の花瓶などに使う人が多いようです。この紙管は、水には弱いですが、紙がらせん状に重ねられているため頑丈で、かなりの重さに耐えることができます。切ろうとしても、のこぎりでないと切ることができません。この店でも物を置く台を支えていますが、壊れたりゆがんだりすることはありません。なので、この紙管の上にすのこを載せてベットにしたり、鉢植えを置く台にしたりする人もいるようです」
さらに意外な使い方をしているケースも。
●あらしお食品 マーケティングチーム 中野さん:
「この前を通りかかった保育園の先生が紙管をたくさん持っていきました。保育園の工作で使うそうです。また毎年、文化祭の時期になると使いたいという高校が3校くらいあって、大量に持っていかれます。毎年使う高校からは事前に予約がはいります」
Q文化祭で何に使うのでしょうか?
「文化祭の学校の入口に、この紙管でアーチをつくったという話は聞きました。さらに意外な使いかたとしては、紙管で足の裏をマッサージするそうです。テニスボールの代わりに(笑)」
紙管は「汐彦」の店頭で手に入りますが、タイミングによってはない時もあるのでご注意ください。この丈夫な紙管を使って、自分だけの製品を作ってみてはいかがでしょうか?