株価は過去最高なのに…金利引き上げで県内企業「お世辞にも楽とは言えない」 原料価格の値上がりとの“二重苦”

 政策金利を0.75%程度から1.0%程度へと変更することを決めました。利上げを受けて、メガバンク3行は現在「0.3%」の普通預金の金利を、8月から「0.4%」に引き上げると発表。静岡県内に本店を置く、静岡銀行、スルガ銀行、清水銀行、静岡中央銀行の4行も、同様の引き上げを発表しています。

 預金額が大きい60代以上の世代は恩恵を受けやすくなる一方で、現役世代を中心に心配されるのが、住宅ローンの支払額の増加です。

株価は過去最高なのに…金利引き上げで県内企業「お世辞にも楽とは言えない」 原料価格の値上がりとの“二重苦”

県内企業「お世辞にも楽とは言えない」

 今回の利上げで、政策金利は実に31年ぶりの水準に。全国有数の“製造業立地県”の静岡で、その影響は…。

能地優アナウンサー(焼津市 18日):「引き上げが決定した政策金利。県内企業も先行きを不安視しています」

株価は過去最高なのに…金利引き上げで県内企業「お世辞にも楽とは言えない」 原料価格の値上がりとの“二重苦”

 焼津市にある、金属加工会社「関原製作所」。従業員数は7人、いわゆる「町工場」です。

関原製作所 豊島正幸取締役工場長
Q.今はどういった作業をしている?
A.「これはNC旋盤といって、丸いものを加工する作業」
Q.削っている?
A.「そうです。切削です」

 手掛けているのは、自動車や半導体の製造機械に使われる部品。精密な加工を求められる製品が多く、中には5ミクロン、髪の毛の10分の1程度の誤差しか許されない部品も…。

 製品によって多数の加工機械を使い分ける必要があることに加え、新しい技術を取り入れていくためにも、定期的な「設備投資」は欠かせません。

関原製作所 豊島正幸取締役工場長:「こちらの機械が来月買い替える機械。精度もしっかり出て、よく働いてくれる機械だが、修理の頻度が高くなってきてしまった。同業他社より「良いものを安く早く」を求められるので」

株価は過去最高なのに…金利引き上げで県内企業「お世辞にも楽とは言えない」 原料価格の値上がりとの“二重苦”

原料価格の値上がりと金利引き上げの“二重苦”

 今回の買い替え費用は1700万円ほど。半年前にも新しい機械を導入し、2000万円ほどを投資しました。その大半は、“借り入れ”で工面していて、利上げは企業の投資においては、“ブレーキ”として働きます。

関原製作所 豊島正幸取締役工場長:「お世辞にも楽だとは言えない。ただでさえ色々な原料価格が上がっている中で、今度は金利が上がるということは楽なことはない。大変です」

 大量に使用するステンレスは、ニッケルや銅などは含み、そのほとんどは輸入品。ウクライナ情勢を受けて値上がりが始まり、足元の円安が追い打ちとなっています。

 通電させて金属を切断するワイヤーとして使う真鍮も、ウクライナ情勢の前と比べれば2倍ほどの価格に。さらに、金利が引き上げられ、“二重苦”の状況ですが、先を見据えて対策してきたといいます。

株価は過去最高なのに…金利引き上げで県内企業「お世辞にも楽とは言えない」 原料価格の値上がりとの“二重苦”

関原製作所 豊島正幸取締役工場長:「1社に頼らないとか1業種に頼らないとか、色々な業種と付き合いができるように営業してきた」

 主に半導体製造に関わる部品を作ってきたこちらの会社ですが、安定した受注を受けられるように、取引先の多角化を進めてきました。

関原製作所 豊島正幸取締役工場長:「借り入れはしなければならないので、大変な状況にはなると思う。ただ会社をやっている限りは色々な要因で大変な時期もある。大変だが頑張っていくしかないなと、そういう気持ちで事業を進めていきたい」