噛めば、熱が走る 「リンダリンダ」の肉汁餃子は、真夏の一服のパンチ 静岡市
静岡市清水区のJR草薙駅南口から徒歩1分。赤い提灯が揺れている。「草薙肉汁餃子食堂 リンダリンダ」だ。店名にはどこか歌うような響きがあるが、供される料理は至って本気。餃子という定番料理の限界を、軽々と超えてくる熱量がある。看板商品は、店名通り「肉汁焼餃子」。まず、そのサイズに驚く。銘柄豚「金豚王」のひき肉をベースに、キャベツ、玉ねぎ、白ねぎ、ニンニク、ショウガを混ぜ込んだ餡が、もちもちの皮にたっぷりと詰まっている。1個60gという特大サイズで、焼き目は香ばしく、噛めば肉汁が弾け出す。熱々をハフハフと頬張れば、しばし言葉を忘れるはずだ。

もう一つの名物が「レモン塩で食べる絶品タン刺し」。タンを低温でじっくりと火入れすることで、肉の繊維はしっとりと、脂はほんのり甘く仕上がる。噛みしめるほどに滋味がにじみ出る。盛りつけにも遊び心があり、皿には「ドーン!」と描かれた擬音や、マンガのようなコマ割りが施され、SNS映え必至。

野菜をがっつりいきたい人には、異色の人気メニュー「マシマシ野菜」が刺さる。キャベツ50gにもやし2袋をボイルし、たっぷりの背脂と特製ダレ、そして刻みにんにくをトッピング。言うなれば“麺なし・スープなしの二郎系”。味はこってり、香りはワイルド。ボリューム満点で、食後には罪悪感を吹き飛ばす満足感が残る。

ピリ辛派には「皿坦々」がおすすめ。スープのないスタイルの坦々麺で、テンメンジャンや数種のスパイスで炒めた豚ひき肉、ニラ、もやしが、茹でた麺にたっぷりと絡む。辛味と旨味のバランスが絶妙で、ビールとの相性は保証付きだ。

そのビールではなく、レモンサワーとハイボールが“つぎ放題”というのも、この店の名物のひとつ。なんと10分100円でセルフ飲み放題。カウンターに備えつけられた蛇口から、自分で注ぐスタイル。1時間で最多15杯を記録した猛者もいるとか。

酔い覚ましの“〆”には、その名も「草薙の〆ラーメン」をどうぞ。煮干し・豚・かつおのトリプルだしに、あっさり醤油味。細めのストレート麺に出汁の旨味が絡み、胃にやさしく染みわたる。こってりを楽しんだ後の、この一杯の安心感は何にも代えがたい。

学生の多い草薙地区。だから店が目指すのが「安くておいしい店」。そう評される未来はそう遠くはないが、ここにはすべてある。

草薙肉汁餃子食堂 リンダリンダ
静岡市清水区草薙1-2-24 中村ビル1F
TEL 080-7342-7051
営 17:00-24:00
休 日曜日
Pなし