静岡で堪能する大阪喫茶文化 静岡市「カフェ福」

静岡市葵区の北街道沿いで暖簾を掲げる「cafe 福」。大阪出身の店主、相澤謙光さんが静岡で始めて11年、常連客が世代を超えて集う。木のテーブルと落ち着いた照明に包まれた店内は、どこかほっとする時間を与えてくれる。ランチの人気者といえば、週替わりのランチプレート。取材時は宮崎名物の「チキン南蛮」。胸肉を卵にくぐらせ、きつね色に揚げたところに甘酸っぱいタレを絡める。その上に重ねられるのが自家製のタルタルソース。祖母から伝わったという「らっきょう」を忍ばせることで、ピクルスにはない爽やかな酸味と小気味よい食感が生まれる。甘酢とタルタルが溶け合い、肉の旨みを際立たせる仕掛けだ。サラダやスープ、漬物、デザートまで整った充実の一皿だ。

九州宮崎名物チキン南蛮プレートランチ(1180円)
九州宮崎名物チキン南蛮プレートランチ(1180円)

遅めのランチ(午後3時以降~)からは「ナポリタン」が登場する。たっぷりのケチャップをまとった太めのパスタは、もちっとした食感が特徴。炒めた野菜の甘みとソースの酸味が重なり、どこか懐かしい記憶を呼び覚ます。

ナポリタンスパゲティ(980円)
ナポリタンスパゲティ(980円)

甘味好きに人気なのが、季節替わりのシフォンケーキ。取材時には「甘夏」が並んでいた。生地とクリームの両方にピールを練り込み、軽やかな甘さと柑橘の香りが広がる。食後の余韻を涼やかに締めくくってくれる存在だ。

甘夏のシフォンケーキ(580円)
甘夏のシフォンケーキ(580円)

デザートのお供に最適なのが看板の「福ラテ」。エスプレッソに関西の定番「冷やし飴」を合わせるもの。麦芽糖のやわらかな甘みとショウガやシナモンの風味が、苦味の効いたエスプレッソと調和する。他に「ミックスジュース」も人気で、大阪の喫茶文化を静岡で再現する一杯となっている。

福ラテ(600円)
福ラテ(600円)

ミックスジュース(600円)
ミックスジュース(600円)

「また来たい」と自然に思わせる力を持つのが、この店の魅力。食事でも甘味でも、訪れる人の心を解きほぐしてくれる。

静岡で堪能する大阪喫茶文化 静岡市「カフェ福」

cafe 福
静岡市葵区鷹匠2-3-2 サンシティ鷹匠101
電話番号:なし
定休日:月曜日
営業時間:11:30-20:30 L.O.19:30
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