季節の恵みとともに歩む家庭的なイタリアン 静岡市「ニノ・ペペローネ」
静岡市葵区岳美、静清バイパス唐瀬インター近くに構える「nino peperone(ニノ・ペペローネ)」。1988年に静岡で初めてのイタリア大衆食堂として開業して以来、2度の移転を経て今の場所に落ち着き、37年にわたって地元の人々に親しまれてきた。カジュアルな店内には40種類以上のパスタが揃い、肩肘張らずに本格的なイタリア料理を楽しめるのが魅力だ。この季節に味わいたいのは、広島県産カキを使ったクリームパスタ。ホウレン草やマッシュルームと共に炒め、出汁と生クリーム、牛乳を合わせてじっくり煮詰める。濃度を見極めながらカキの旨みを引き出し、茹で上げた乾麺と合わせれば完成だ。まろやかでコクのあるクリームに、カキの濃厚な風味が重なり、季節感あふれる一皿となる。

店の1番人気は、自転車レースから名前をとったオイル系パスタ。エビとシメジ、エリンギ、エノキを使い、ガーリックオイルで軽やかに仕上げる。シンプルながらも素材の旨みが際立ち、食べ進めても飽きのこない味わいだ。開業当時は珍しかったオイル系を静岡に根付かせたい――そんな思いが込められている。

さらに秋の味覚を堪能できるのが、ポルチーニを使ったリゾット。タマネギを炒めて甘みを引き出したところに、ポルチーニの戻し汁を加えて炊き上げる。リゾットの柔らかい口当たりに、ポルチーニの芳醇な香りが溶け込み、一口ごとに奥深い余韻が広がる。

肉料理で外せないのが、ボローニア風カツレツ。ミラノ風のようにパン粉だけで仕上げるのではなく、子牛のカツに生ハムとチーズをのせて焼き上げる。繊細な肉の旨みに生ハムの塩気、チーズの濃厚さが重なり、忘れがたい印象を残す。

気軽さと本格派のバランスが心地よい「ニノ・ペペローネ」。旬の食材を活かした一皿から、歴史を刻んだ定番まで、多彩な料理が食卓を彩る。訪れるたびに新しい発見が待つイタリア食堂だ。

nino peperone
静岡市葵区岳美1-7
電話番号:090-8557-6927
定休日:火曜・第3 第4水曜日
営業時間:11:30-14:00 L.O./18:00-20:30 L.O.
Pあり