秋の香りを贅沢に、松茸尽くしを堪能 浜松市「あらたま庵」
浜松市浜名区平口、2016年にオープンした「旬 和食 あらたま庵」。座敷席や個室も備えた落ち着いた空間で、1人でも家族連れでも気軽に楽しめる和食店だ。日常にちょっとした贅沢を添える料理を提供している。秋の看板料理は、やはり松茸を使った豪華な御膳。出汁を利かせた料理を身上とする同店では、カツオ節やマグロ節、ムロアジ節を重ねた旨みに、さらに貝やカニの出汁を加える。こうして仕立てた風味豊かな出汁で炊き上げるのが、松茸の釜めしだ。米はコシヒカリにもち米を1割ほどブレンドし、ふっくら感と粘りを両立。松茸の香りが一粒一粒に染み込み、口に運ぶごとに秋の贅沢を実感させる。

同じく松茸を味わえるのが、土瓶蒸し。芳醇な香りと深い旨みが湯気とともに立ちのぼり、釜めしとはまた違った趣で舌を楽しませる。季節の小鉢やデザートも添えられ、秋の恵みを心ゆくまで堪能できる構成だ。

もうひとつ人気の御膳には、松茸の釜めしに天ぷらや小鉢が加わる。天ぷらには地元・天竜舞茸を必ず盛り込み、香り高く仕上げる。エビ天とともに味わえば、食卓に秋の華やぎが広がる。小鉢にはナスの煮びたしやサンマの南蛮漬けなど、その時季ならではの料理が並ぶ。

一方、定番として支持を集めるのが「万葉御膳」。9種の前菜に加え、季節の丼ぶりを組み合わせる趣向だ。この日の丼はサーモン二色丼。生のサーモンのとろりとした食感に、加熱した中落ちをほぐして添えることで、濃厚さと軽やかさが交差する。シンプルながら飽きさせない一杯だ。

肉料理では、ヒレカツと自然薯のセットも見逃せない。ヒレ肉は国産を使用し、厚みを出して肉らしい噛みごたえを演出。サクサクの衣をまとった肉厚なカツに、静岡本山の自然薯をすりおろしてかければ、濃厚な粘りと香りがごはんを呼ぶ。肉と山の幸の出会いは、滋味深い味わいを重ねる。

松茸の釜めしから自然薯のヒレカツまで、四季の恵みを自在に組み合わせた御膳の数々。ここには、日常を少し特別にしてくれる和食の力がある。秋を迎えるたびに訪れたい一軒、それが「あらたま庵」だ。

旬 和食 あらたま庵
浜松市浜名区平口224-1
電話番号:053-584-1155
定休日:大晦日・元日
営業時間:11:00-22:00
Pあり