薪の香りが包む、肉と野菜のイタリアン饗宴 富士宮市「タグーチェ フィアマ」

 富士宮市三園平、富士宮北高校のそばに構える「タグーチェ フィアマ」。明るく開放的な空間で、本格イタリアンを肩肘張らずに楽しめる一軒だ。オーナーシェフ田口忠幸さんが「ワインをがぶ飲みしながら賑やかに楽しんでほしい」 と語る通り、皿の上には躍動感がある。
 まず味わいたいのは「生ハムとフレッシュトマトのピッツァ」。生のミニトマト(富士宮産)、イタリア産モッツァレラとパルミジャーノに、エキストラバージンオリーブオイルをひと回し。窯で一気に焼き上げ、仕上げにイタリア・パルマ産の生ハムを重ねる。素材の塩味と凝縮した甘みが重なり、軽やかに食べ進められる一枚だ。

生ハムとフレッシュトマトのピッツァ(1500円)
生ハムとフレッシュトマトのピッツァ(1500円)

 続くのは、冬に恋しくなる透き通った煮込み「国産豚タンとエゾ鹿のソーセージのサッパリ煮込み」。野菜のだしと豚タンの旨みだけで整えたスープは澄んだ旨さ。香味野菜は“だし取り”として煮込み、仕上げにジャガイモを温めて添えるという潔さだ。豚タンのやわらかさ、鹿ソーセージの旨みがしみ渡る。

国産豚タンとエゾ鹿のソーセージのサッパリ煮込み(1200円)
国産豚タンとエゾ鹿のソーセージのサッパリ煮込み(1200円)

 さらに迫力あるのが「炭火焼きお肉 三種盛り合わせ」。エゾ鹿、松阪豚、フランス産鴨胸肉の三種類を炭火で焼き分ける。強火と遠火を使い分けながら“肉と相談する”焼き加減。エゾ鹿はクセがなくしっとり、松阪豚は脂の香りがふわりと広がり、鴨胸肉は皮目の香ばしさとしっとりした身の甘さが鮮やかだ。

炭火焼きお肉 三種盛り合わせ(3500円~)
炭火焼きお肉 三種盛り合わせ(3500円~)

 イタリアの郷土料理「国産牛スネ肉の赤ワイン煮込み」も外せない。
玉ネギ・セロリ・ニンジンを炒め合わせ、トマトペーストと大量の赤ワインで4時間煮込む。スネ肉の繊維がほろりとほどけ、野菜の甘みとともに深い味わいに落ち着いていく。

国産牛スネ肉の赤ワイン煮込み(2300円)
国産牛スネ肉の赤ワイン煮込み(2300円)

 2025年12月末に富士市へ移転予定とのことだが、「おいしい本格イタリアンを提供し続ける」と語る田口さんの姿勢は揺るがない。素材の声を丁寧に聞き取りながら、皿の上に物語を刻む一軒である。

薪の香りが包む、肉と野菜のイタリアン饗宴 富士宮市「タグーチェ フィアマ」

タグーチェ フィアマ
富士宮市三園平212富士山横丁2階
電話番号:0544-23-6000
定休日:水曜日
営業時間:11:30〜14:00(L.O.13:00)/ 17:30〜22:00(L.O.21:00)
Pあり

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