卵たれが支える老舗の矜持はかつ皿にこそ表れる 富士市「金時」

 富士市本町。駅前の通りに溶け込むように暖簾を掲げるのが、「そば食事処 金時」だ。1927年創業。昭和2年から数えて、まもなく100年を迎える老舗である。
 この店の代名詞は、半世紀以上続く名物「かつ皿」。ごはんの上にゆでたキャベツとトンカツをのせ、そばつゆをベースにした卵たれをふんわりとかける。丼ではなく皿で供するのが金時流だ。
 最大の要は、その卵たれ。甘みとだし感のバランスは、火加減とおたまの動きで決まるという。とろりとした口当たりが、揚げたてのトンカツを包み込み、カツ丼とは異なる余韻を残す。
 このかつ皿、もともとは祖母の発案だという。「スプーンで食べられるごちそうを」。そんな発想から生まれた一皿は、いまでは受験シーズンに“ゲン担ぎ”としても親しまれている。

かつ皿(1100円)
かつ皿(1100円)

 派生メニューも充実している。トンカツの代わりにエビフライを使った「えび皿」は、軽やかさが魅力。
 さらに数年前から登場した「ヒレかつ皿」は、脂を抑えた豚ヒレ肉を使い、上品な食べ心地に仕上げている。

えび皿(1200円)
えび皿(1200円)

 寒い時季には、なべ焼きうどんやカレー南ばんそばもよく出る。具材の旨みを引き出すそばつゆは、長年積み重ねてきた経験の賜物だ。

カレー南ばんそば(980円)
カレー南ばんそば(980円)

 感覚で守られてきた味と、変えない姿勢。金時のかつ皿は、老舗という言葉に甘えない日々の延長線にある。

卵たれが支える老舗の矜持はかつ皿にこそ表れる 富士市「金時」

そば食事処 金時
富士市本町7-18
電話番号:0545-61-0205
定休日:木曜日
営業時間:11:00-14:30 L.O.14:00
17:00-21:00 L.O.20:30
※金土の夜は-23:00 L.O.22:30
提携Pあり

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