ネギに埋もれる主役 鉄板の上で完成する一枚 静岡市「どんまい」
まずは一枚、焼き上がりをそのまま受け止めたい。「お好み焼&鉄板焼 どんまい」で軸になるのは、青ネギに覆われた「爆ネギ豚玉」だ。静岡市駿河区中原に店を構え、かつての味を引き継ぎながら新たに動き出したこの店は、鉄板の上での組み立てに無駄がない。
生地は特製のだしで小麦粉を溶くところから始まる。そこにとろろ、玉子、天かす、紅ショウガ、自家製の和牛肉かすを加え、空気を含ませるように混ぜる。素材を足すだけでなく、どう混ぜるかで最終の食感を決めているのが分かる。
鉄板に流し入れた生地は、押さえつけない。ここがこの一枚の肝だ。上に豚バラを二枚重ね、熱を通しながら中はややとろみを残し、表面には軽く焼き色をつける。圧をかけないことで、ふっくらとした厚みとやわらかさが保たれる。
仕上げに使うのは、野菜と果物をブレンドした濃厚なソース。甘みとコクが前に出るが、くどさは残らない。そこへマヨネーズを重ね、最後に青ネギを躊躇なく盛る。視覚的なインパクトは強いが、ネギのシャキッとした食感と爽やかな香りが全体を軽くする役割を担う。
対照的に、卵で包む「とん平焼」は構造がシンプルだ。豚バラとキャベツを、だしを効かせた生地とともに焼き、ふんわりとした卵でまとめる。外側はやわらかく、中にはモチっとした食感が残る。つまみとしても成立し、食事の一品としても収まりがいい。
締めに選ぶなら焼きそば。特製の太麺は弾力があり、甘辛いソースをしっかりと抱え込む。どこか懐かしさのある味わいで、食事の最後を落ち着かせる。
「お好み焼&鉄板焼 どんまい」は、盛りの派手さだけで勝負する店ではない。押さえない焼き、重ねる素材、その組み立てが一枚の完成度を支えている。鉄板の前で仕上げられた料理が、そのまま熱を持って届く。その距離の近さも、この店の魅力のひとつだ。
お好み焼&鉄板焼 どんまい
静岡市駿河区中原877-1
電話番号:054-283-6838
定休日: 水曜日
営業時間:17:00~23:00
P8台