黒糖が効く一杯が描く沖縄の輪郭 磐田市「ルイーヂ」
一口すすった瞬間に、方向性ははっきりする。磐田市中泉にある「沖縄ビストロ ルイーヂ」の沖縄そばは、軽さの中に芯がある。 スープはカツオ節と鶏ガラをベースに、豚肉で旨味を重ねる構成。輪郭はあくまであっさりしているが、奥にコクが残る。その理由のひとつが黒糖だ。甘さを前に出すためではなく、出汁の角を整え、全体をまろやかにまとめる役割として使われている。
合わせるのは、やや太めの平打ち麺。スープを持ち上げつつ、噛めば適度な弾力が返ってくる。そこに乗るのがソーキ。豚のあばら肉の軟骨部分を圧力鍋で4時間かけて煮込み、箸で崩れるほどやわらかく仕上げている。甘辛く味付けされた肉は、スープに溶け出しながら一体化していく。ネギと紅ショウガが入ることで、後味に軽さが生まれる。
ここで終わらせず、もう少し広げたい。「おつまみタコス」は、店の空気をそのまま表した一皿だ。小ぶりなサイズで2種類。ひとつはフレッシュトマトとサルサソース。酸味と軽い辛みでさっぱりと食べさせる。もう一方は、水菜とレッドオニオンに自家製オーロラソース。甘酸っぱく、マイルドなコクでまとめる。どちらもトルティーヤの香ばしさが土台になり、手が止まらなくなる。
肉の満足感を求めるならハラミステーキ。表面を強火で焼いてからアルミホイルで休ませることで、内部に肉汁を保つ。カット後、焼き汁と自家製の和風オニオンソースを合わせてかける。柔らかさとジューシーさが際立ち、食事としての軸になる一皿だ。
沖縄らしさをまとめて感じるなら、ミミガー、海ぶどう、もずくの3種盛り。異なる食感と風味が並び、箸休めとしても機能する。
沖縄そばで整えてもいいし、タコスや肉で一気に振り切ってもいい。軽く済ませる夜にも、しっかり食べたい日にも収まる。その日の気分に合わせて選べる余白が、この一軒には残されている。
沖縄ビストロ ルイーヂ
磐田市中泉1267-4 昭和ビル201
電話番号:0538-31-5733
定休日: 日曜日・月曜日
営業時間:18:00~24:00
P11台