元消防士の「命綱をしないで進入したのは適正」との考えに「賛同できない」と難波市長 消防士が殉職した静岡市のビル火災
消防士が殉職した静岡市のビル火災で、一緒に活動した元消防士が先週会見を開き、命綱を付け活動するリスクを訴えました。これに対し難波市長は13日の定例会見で「賛同できない」との認識を示しました。
静岡市 難波喬司市長:
「命綱をしないで進入したのは間違っていなかった。適正だったということだが、その考えについては賛同はできない」
おととし8月、静岡市葵区呉服町で発生したビル火災で、駿河消防署の消防士、山本将光さん(当時37歳)が殉職しました。
当時、現場で指揮を執っていた小隊長は、山本さんを濃い煙の中に入らせる際に、活動基準で定められた命綱などで体を結ばせていませんでした。
静岡市の難波市長は事故調査委員会とは別に市で独自に検証を行い、活動基準に従えば、煙の濃い屋内へは必ず複数の隊員で命綱などで体を結んで、進入するべきであったと指摘しました。
しかし、先週この市の検証結果について 当時現場で活動していた元消防士の男性が会見を開き、「命綱はルールで決められているものの実際の火災の現場では、隊員の活動の障害となることもあり、リスクを伴う」と
反論していました。
これについてきょう難波市長は。
静岡市 難波喬司市長:
「今の消防局の状態では、また事故が起きかねないという非常に強い危機感を持っているので、そういう面では組織風土を変えたいということについては大変共感している。(山本さんが)亡くなったのに、自分の行動は正しかったと、果たして言って良いのかどうかというところについては、しっかり認識するべきではないかと思っている。一方で命綱を付けない進入方法は私の理解でも、今そういうやり方を色々試みられていると思っている」
また難波市長は、事故調査委員会と静岡市の検証で異なる点は市の報告書に加筆し、市の検証結果を一連の検証の最終報告書として公表するとしています。
市は消防局の組織に問題があったと結論付けていて、
今後消防管理室を設置して監察や内部統制を徹底し、再発防止に努めるということです。