2024年10月に静岡県で運用開始「♯7119」って知ってますか?
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救急車を呼ぶのか、呼ばないのか。その迷いを相談できる窓口が静岡県内に開設されました。背景には救急現場での驚きの現状が…。
「119番消防です。火事ですか?救急ですか?」
「救急車はもう向かっているので落ち着いて確認してください」
栗田麻理アナウンサー:
「静岡市の消防指令センターです。通報を受け救急車や消防車の出動を指示する、まさに“初動の要”となる場所です。こちらでは今、業務に支障をきたしてしまう“ある通報”が後を絶たないというのです」
市民の通報に24時間365日対応する、消防指令センター。
静岡市消防はおよそ84万人が暮らす、5つの市と町を管轄としています。
通報は年々増え続けていて、去年1年間ではおよそ6万3200件。
そんな中、今、課題となっているのが…。
「苦情です、苦情」
「ごめんなさいね、でしたら消防ではございませんので」
「それはご自身で考えてください」
「緊急性のない通報」が後を絶たないのです。
この日は、週の中で最も通報が多いという月曜日。
「時間かかるよって言っといて」
「千代田にしよう、こっちでやるからいいよ」
早朝から通報が相次ぎ、緊迫する指令センター。
すると…。
「・・・それはちょっとできないんですよ」
「ご自身でタクシーとか呼べることができるのであればね、救急車を向かわすことはできないので」
病院から救急車は必要ないと言われた高齢者からの「タクシーだとお金がかかる」という理由での通報でした。
さらに…。
「こちらでもわからないですよ。これ以上食べて苦しくなるようなら食べないほうがいいんじゃないですか?」
「それはご自身で考えてください。お大事にしてください」
「お腹が痛くなるからご飯を食べるか迷っている」という、もはや“相談”に近い内容も…。
静岡市消防局 警防部指令課 村松郁哉 主査:
「不要不急の通報に職員が対応を追われてしまうと、本当に消防車や救急車が必要な人の対応が遅くなってしまう」
1日の通報件数およそ170件のうち、1割程度は“緊急性のない”通報。
1分1秒を争う救命活動に、悪影響を与えかねません。
#7119
この状況を改善しようと、静岡県内で始まったのが…。
「♯7119」
“♯7119”(シャープ・なな・いち・いち・きゅー)とは、
「救急車を呼ぶべき事案」か、迷ったときに電話する相談窓口のこと。
2007年に東京消防庁が導入し、全国に広がる中、
2024年10月に静岡県でも運用がスタート。
鈴木知事も県議会で言及しました。
鈴木知事:
「インフルエンザが流行する中、救急車の出動件数の増加傾向が緩和されるなど、一定の効果がみられたとの評価をいただいております」
しかし、現場からは…。
静岡市消防局 警防部指令課 村松郁哉 主査
「通報の件数は年々多くなっていて、効果は感じていない」
導入する前と比べても通報は格段に増えていて、効果はあまり出ていないようです。
その理由は…。
静岡県危機管理部 消防保安課 坂部直人 主任:
「まだ県としても十分な周知広報ができていないと思っているので」
栗田麻理アナウンサー:
「では、実際に街の人はどのくらい♯7119の存在を知っているのでしょうか?実際に静岡市で調査してみます!」
藤枝市 女性50代 男性60代:
男性「どこかで聞いたことはあるけど詳しくは知らない」
女性「119だから救急車を呼ぶところの何かですよね?」
静岡市20代:
「救急車を呼ぶ前の、呼んでいいのか相談する電話・・?」
Qどこで知った?
「ネットとかだと思う」
静岡市80代:
「全然知らない」
Q.119番通報をするか迷うときは?
「ありますね。ここで相談にのってもらえたらきっといいと思う」
街で50人に聞いて知っていた人はわずか4人。
やはり認知度が大きな課題のようです。
静岡県危機管理部 消防保安課 坂部直人 主任
「例えば指を切ってしまってどうしたらいいかとか、医療機関が近くでどういったところが空いているのかとか、そういったことも相談できるので気軽に#7119を利用してもらえればと思う」
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