容疑者と被害者「庭木」めぐりトラブルか 公民館殺人事件で54歳の男を逮捕 静岡市
静岡市の公民館で男性が殺害された事件で、54歳の知人の男が5日、逮捕されました。地元で取り沙汰される「庭木トラブル」とは。
5日午前、静岡南警察署に到着した1台の捜査車両。捜査員に取り囲まれた、白髪交じりで、白っぽいTシャツを着た男が、容疑者です。首には、白い布のようなものが巻かれてました。
犯行後に自らの首をナイフで切り、入院先の病院で治療が続いていましたが、5日、殺人の疑いなどで逮捕されました。

静岡市駿河区の54歳の無職の男は2日午後7時半ごろ、静岡市駿河区の中島浜公民館に侵入し、78歳の男性をサバイバルナイフで刺して、殺害した疑いが持たれています。
事件当時は今週末に予定されていた地元の夏祭りに向けて、最後の打ち合わせが行われていて、50人ほどが集まっていましたが、男は参加する対象ではありませんでした。

会合に参加した女性:「いきなり私の後ろを通って、被害者のところに来て、いきなり前にかばんか何か持ってたと思うんですけど、そこからナイフを出して、いきなり逆手でブスッてやった」
Q.刺した場所は?
A.「背中ですよ、背後からだから、背後からいきなり」

会合の終盤、突然後ろのドアから入ってきたという容疑者。わき目もふらずに座っていた男性のもとへ向かうと、かばんからサバイバルナイフを取り出して、犯行に及びました。
会合に参加した女性
Q.何回ぐらい刺した?
A.「一度やって抜いて、あと2回ぐらいこうやって振ってましたよね、ナイフを」

こちらは静岡朝日テレビが2年前に取材していた、事件現場となった中島浜公民館の2階会議室の映像です。市議と地元住民らの意見交換会が開かれ、地元住民の一人として男性も出席していました。
映像を見ると、広めの会議室であることが分かり、男性が入ってきたとみられる会議室後方の出入り口も映っています。

犯行後、会合の参加者によって取り押さえられた容疑者。
容疑者を取り押さえた人:「がっちりテーブルとかイスで何段も男が身動きできない感じで押さえつけた。(男は)「こいつ」だか「このやろう」だか、うなり声みたいな」
目の前で犯行を目撃し、事件後に男性を介抱した地元住民によれば、刺されたのは、腰の近くを2カ所とわき腹を1カ所。止血を続ける中、男性は容疑者の名前を口にしていたそうです。その後、搬送先の病院で死亡が確認され、司法解剖の結果、死因は失血死でした。
2人の接点について、今分かっていること。容疑者は去年、自治会の役員を務めていて、農協の組織にも所属。いずれも亡くなった男性も所属していました。
会合に参加した男性:「(容疑者は)10年以上前に部農会の会計をやってくれたことがあって、別にそれは普通にこなしてくれた。頼めば普通にやってくれる」
Q.殺された男性も部農会に?
A.「もちろん。入ってます」
Q.そこでの2人の関係性は?
A.「ほとんど会うこともないのでは。(容疑者は)ほとんど今、農業をやっていないのではないか」
“あるトラブル”が浮上
一方で、周辺を取材してみると、“あるトラブル”が浮かび上がってきました。
進士陸斗記者:「容疑者の自宅前です。自宅の向かいには容疑者の叔母が3年前まで住んでいた空き家があります。近隣の住人によりますと、こちらの住宅の庭木をめぐり、容疑者と男性の間になんらかのトラブルがあったとみられています」
敷地内から大きく飛び出した草木。2人の間に、これをめぐるトラブルがあったという声は、複数聞かれました。
進士記者:「歩道の白線を超えてしまうほど草木が伸びてしまっています」

10年ほど前までは手入れが行き届いていて、よく管理されていることが分かります。ただ、2023年には、すでに葉が生い茂り、かなりのボリュームになっています。きょうはというと、電線まで達するほどの高さとなり、道路にかなりはみ出していました。
現場に居合わせた人:「子どもも避けて通らないといけないし、車も危ないとかそんなのもあって、(男性が)ちょっと注意したというのは聞いたことがあった。(男性は)ちゃんときれいにしてくださいね、ということは言っていたみたい」
警察の調べに対して、容疑者は公民館に侵入し、男性を刺したことを認めているということです。警察は、犯行の動機についても詳しく調べる方針です。