南海トラフ臨時情報が出た際の事前避難者は静岡県内で約7万人 この事前避難、現場では様々な課題に直面

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 南海トラフ地震臨時情報が出た際の事前避難者は県内でおよそ7万人とされます。

 この事前避難、現場では様々な課題に直面しています。

●川﨑豊記者:
「午前9時を回って、サイレンが鳴り始めました。これから避難訓練が行われます」

 静岡県湖西市の住吉東地区。市の総合訓練に合わせ避難訓練が行われ、屋上を津波の避難場所として提供している地元企業の倉庫に住民30人ほどが上りました。

●参加した人:「暑い、暑い」

 松林の先は海のこの地区には119世帯390人が住んでいます。

●住吉自治会 疋田勝久会長:
「この地区は本当に津波が心配されるんで、皆さんだいぶ意識はだいぶされてるんですけど。まず高齢者の方々がそれをどれだけ認知しているか」

 先週、内閣府のアンケートで、南海トラフ地震臨時情報で最もレベルが高い「巨大地震警戒」が出た際、自治体が事前避難を求める住民の人数が、静岡県内でおよそ7万人に及ぶことが分かりました。

 事前避難は1週間で、対象となるのは、この住吉東地区では高齢者など13人です。

●鈴木さん(男性):
Qご自身が事前避難の対象者っていうのはご存知ですか?
「私? あんまり自覚ないですね」

 こちらの女性は同じ棟に寝たきりの人がいるといいます。

●足立のぶ子さん:      
「96歳で。その人をどうしようかっていうのをまだ考えてなかったのね。だからこれから考えなきゃいけないと思う」

 さらに、1週間の事前避難に必要な食糧などは、原則住民が用意する事になっていますが…。

●鈴木秀明さん(85):

Q:家で備蓄してるものありますか?
「家ですか? 備蓄はないですよね」

 また避難する先にも課題があります。この地区の避難所は中学校と小学校、幼稚園。県は各教育委員会の判断は尊重しつつも臨時情報のみ出た場合は、学校を通常通り続ける方針です。どこへ避難すればいいのか。

 市は、対応をまだ決めていませんが、小学校近くの地区センターを避難場所として開放することも検討したいとしています。

●地区の民生委員 鈴木愛子さん:
「(避難先が)学校ではなくて避難場所になる可能性が高い。でも避難場所はある程度人数が制限される。その場合自分の知り合いとか知っている所へ事前避難の情報が出たらお願いねって協力を仰いでいく」

Qそれは住吉東地区は進んでいる?
(首を横に振る)
「これから」

 そもそもの情報の周知からどう1週間をやり過ごすのか。課題はまだ多くあります。

●住吉自治会 疋田勝久会長:
「非常に個人差がありますんで、危機管理のできる範囲で、自分のできる範囲で徐々にやっていただきたいというのは、今感じております」

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