「あの日から時が止まっている」「時が経てば経つほど苦しい」小学生4人が死傷した事故から半年 死亡した少女の遺族が心境語る
浜松市で小学生4人が死傷した事故から24日で半年です。「あの日から時が止まっている」「時が経てばたつほど苦しい」と亡くなった石川琴陽さんの遺族が心境を語りました。
和田佳代子記者
「現場では事故を受けてこのようにカーブに沿ってドライバーに向けて注意喚起の標識がたてられていますが、今も痛々しい爪痕が色濃く残っています」
3月24日浜松市中央区舘山寺町で、女の子4人の自転車の列に軽トラックが突っ込み、小学2年生の石川琴陽(こはる)さん(8)が死亡、小学生3人が重軽傷を負いました。
石川琴陽さんの祖母と叔母が現在の心境を語りました。
琴陽さんの伯母
「生活があるので切り替えて送ってはいるんですけど、時が経てば経つほど苦しい」
琴陽さんの家に来るたび半年前と変わらない部屋に胸が締め付けられます。
琴陽さんの叔母
「もう見るのも辛い琴陽の家にくるとそのままでランドセル見ると3年生だったなとか。ずっと(時が)止まっています自分の中で何か記憶がないんですよね」

事故から半年。
あの時から遺族に刻まれた心の傷は癒えることがありません。
琴陽さんの祖母は先月腕を骨折した時にあの日のことがよみがえったといいます。
琴陽さんの祖母
「私これだけ痛いと思っているのに、あの頃のことが頭の中でパッて。また3月24日のことが思い出されちゃって。もういても立ってもいられない。あの子たちにしたら本当に想像ができないくらいの痛みだったんだろうなって」
今でも現実を受け入れることはできません
琴陽さんの祖母
「もうこの世にはいないんだって分かってるけど、ニコニコ顔でどっかから出てくるかなっていう思いもありますね。それがもう未だに辛い」
人懐っこく周りから愛されていた琴陽さん。
事故現場付近に琴陽さんをイメージした花を植えました。
琴陽さんの祖母
「あそこで亡くなったっていう証というと変だが、お花があると手を合わせてくれるかなと。琴陽をイメージするわけじゃないが綺麗に咲いてるねって思いますね」

遺影の周りには多くの花が手向けられ、琴陽さんが好きだったお菓子やぬいぐるみなどが備えられています。
頭を骨折し、一時意識不明だった琴陽さんの姉は6月から学校に通い始めたものの頭と腰に痛みが残り制限のある生活を送っています。
家族と買い物に出かけると「琴陽が好きだったね」と妹の分も買い、お供えするといいます。

この事故で逮捕された79歳の男性は処分保留で釈放され、事故から2カ月たった5月に突然、遺族のもとへ謝罪に訪れました。
謝罪直後の取材で・・・
事故を起こした男性
「どんな償いをしても取り返しのつかないことをしてしまったと感じています。なんとか生きている限り、もうやれることをこの言葉
だけじゃなくて態度で最後まで尽くしていきたいと思っています。
本当に申し訳ないと思っています」
しかし、あの日以降遺族のもとへ訪れることはありませんでした。
琴陽さんの伯母
「一生かけてとか、手を合わせにいきますとかいろいろ言ってたんですけど、本当になにもないのでよくこんな嘘がつけるなと思って受け入れることすらできない。償いの意味が本人としてどう思っているのか聞いてみたい。なんでこんな赤の他人に殺されてしまったのか、そればっか。怒りは変わらない。今までの生活を返してほしいって本当に思いますね」
琴陽さんの父親は取材に応じ受け入れられない、辛く悲しい気持ちは変わらない。
反省の態度や誠意がみえないと男性への怒りをにじませました。
(男性は静岡朝日テレビの取材に応じていません)
警察は在宅で男性の捜査を続けています。
