【リニア】国の有識者会議の報告書案　静岡県「さらなる議論が必要」　県専門部会では「国は大方針を決めるもの」「無駄な時間が流れる」との意見も

　リニア工事に伴う環境への影響を国の有識者会議がまとめた報告書案について、２０日の静岡県の専門部会で議論されました。県は「課題について、さらなる議論が必要」との認識を改めて示しました。

　国の有機者会議では、リニア工事が与える南アルプスの自然環境への影響について議論が交わされていて、９月の会議では、これまでの議論をまとめた報告書案が初めて示されました。２０日、開かれた県の専門部会では、その報告書案に関する課題についての共有と話し合いが行われました。

　課題として、▼沢の水生生物などへの影響予測が行われていないことや▼生態系の損失に関する評価がされていないことが挙げられました。県は「報告書案が不十分なため、引き続き有識者会議で議論を続けるべき」との見解を示しましたが、委員からは「国の有識者会議は大方針を決めるもの」「残った課題は県と事業者でやらないと、無駄な時間が流れる」などの厳しい意見も上がりました。

県専門部会　増澤武弘委員：「国はやれるだけのことはほぼやったんじゃないかなと思う」

静岡・森貴志副知事：「案にまとまる前に是正して頂きたいというのは、基本的に考えている」

　今後、県は委員からの意見を踏まえ、国に対し意見書を提出する方針です。

　　　　　　（１０月２０日放送）