食材が相次いで値上げされる中ホテルのビュッフェレストランでは 静岡・焼津市
食品の相次ぐ値上げで「食べ放題」を売りにしているレストランなども悲鳴を上げています。この苦境をさまざまな工夫で乗り切ろうとしています。
嶋田光希アナウンサー:
「(料理を受け取る)今ホテルのランチビュッフェに来ていますが、本当に種類が豊富で和・洋・中とたくさん並んでいます。
こちらは焼津グランドホテルのランチブッフェ。
品数は50種類以上で、色とりどりの料理が並べられています。
月ごとの限定メニューもあり、旬の一品を堪能できます。
晴れた日には広大な駿河湾と富士山が望め、料理はもちろん食べ放題。
常連客:
「年中お世話になる景色とお料理。」
家族連れ:
「種類もたくさんで美味しかった。」
Q.どうだった?
夫婦:
「美味しかった。ずいぶん美味しかった。」
そんな、ホテルでの「楽しい食事」にいま、危機が迫っています。
今年は2度に渡って値上げ
焼津グランドホテル 孕石謙二 統括料理長:
「やはり物価の高。多品目にわたって一年以上にわたって値上がりが連続して。とても大きな影響を受けていて、運営方法といったものを変えざるを得ない。そういった状況にあったのは事実」
毎月のように発表されている食品の値上げ。
今月は131品目と去年1月以降、最も少なくなる見通しです。
しかし、今年はすでに累計3万2000品目以上が値上げとなっています。
こちらのホテルでも料理に使う食用油の仕入れ値が2年前の倍以上に上がり、大きな負担となっていました。
焼津グランドホテル 孕石謙二 統括料理長:
「価格維持に厳しさを感じていて、(今年の)3月に現状維持が厳しいということで値上げのほうをさせていただいた。」
今年3月に一度、300円の値上げを実施。
6月にも土日祝日の料金をさらに200円値上げしました。
ビュッフェならではの苦労とは
ただ、値上げを実施しても、ビュッフェならではの大変さは大きいといいます。
焼津グランドホテル 孕石謙二 統括料理長:
「メニューが決まっていて、月の始めには走り出してしまっているので、月の半ばとかそういったところで値上げの情報が来ると、今更引くに引けない。なかなか苦労するところはある。」
一般的な飲食店ならば食材の価格が上がった場合、産地を変えるなどして臨機応変に対応できます。
しかし、ビュッフェは一定期間、同じメニューを作り続けないといけないため、産地を変えることはできません。
さらに、ビュッフェはメニューが豊富なため、必ずと言っていいほど毎月値上げのダメージを受けています。
そうした苦境のなかでこちらでは、品質を維持したままコストを下げる工夫を始めたといいます。
焼津グランドホテル 孕石謙二 統括料理長
「以前よりも大きな(肉の)塊で仕入れるようにして、そちらの大きな塊を、当店は8時間かけて、ゆっくりと低温でローストビーフに仕立てているが、(大量に買って)仕入れのコストを抑える。そのかわりに手間暇をかけて、味は以前よりも美味しいものをというような工夫をしている。」
また、食品ロス削減のため、毎日の廃棄金額を記録し、量を調整しているといいます。
外食需要は増えつつあるが
一方で、総務省の調査によりますと、今年1月から8月の1世帯当たりの外食支出額は月平均でおよそ1万3000円。
コロナ禍前の2019年並みに回復しています。
焼津グランドホテル 孕石謙二 統括料理長
「(料金の値上げは)非常に不安ではあったが、おかげさまでお客様にはご支持をしていただいて、だんだんとお客様が戻ってきているというものを実感している」
外食需要が増える中、食品の高騰はいつまで続くのか・・
料理を出す側の試行錯誤が続きます。